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連続一様分布
f_{X}(x) &= \frac{1}{b-a} \\[0.7em]
M_{X}(t) &=
\begin{cases}
\displaystyle \frac{e^{tb}-e^{ta}}{t(b-a)} & t \neq 0 \\[0.7em]
1 & t = 0
\end{cases} \\[0.7em]
E[X] &= \frac{b+a}{2}\\[0.7em]
V[X] &= \frac{(b-a)^2}{12}
\end{align}
全ての事象の起こる確率が等しい分布を一様分布と呼びます。特に,確率変数が連続型の場合は連続一様分布と呼び,
U(a, b)
\end{align}
と表します。ただし,$a \in \bbR$,$b \in \bbR$,$a \neq b$とします。連続一様分布に従う確率変数$X$に対し,実現値は
x \in [a, b]
\end{align}
であり,モーメント母関数の変数は$t \in \bbR$とします。連続一様分布は再生性を持たず,ロードマップ中ではベータ分布の特殊な場合に相当します。
確率密度関数
連続一様分布はすべての事象の起こる確率が等しい確率分布ですので,以下の確率密度関数は自然に導かれます。
f_{X}(x) &=
\begin{cases}
(b-a)^{-1} &(a\leq x \leq b) \\[0.7em]
0 & (\text{その他})
\end{cases}
\end{align}
モーメント母関数
モーメント母関数の定義に従って計算していきます。$t \neq 0$のとき,以下のように計算できます。
M_{X}(t) &= E[e^{tX}] \\[0.7em]
&= \int_{a}^{b} e^{tx} (b - a)^{-1} dx \\[0.7em]
&= \frac{e^{tb} - e^{ta}}{t(b-a)}
\end{align}
一方で,$t=0$のときは以下のように計算できます。
M_{X}(t) &= \int_{a}^{b} (b - a)^{-1} dx \\[0.7em]
&= 1
\end{align}
平均・分散
連続分布の平均と分散を求めるためには,モーメント母関数の性質を利用します。しかし,連続一様分布の平均と分散は定義に従って計算した方が簡単です。まず,一次モーメント,すなわち期待値を求めます。
E[X] &= \int_{a}^b x(b-a)^{-1} dx \\[0.7em]
&= \frac{1}{b-a} \frac{b^2 - a^2}{2} \\[0.7em]
&= \frac{b + a}{2}
\end{align}
続いて,二次モーメントを求めます。
E[X^2] &= \int_{a}^b x^2(b-a)^{-1} dx \\[0.7em]
&= \frac{1}{b-a} \frac{b^3 - a^3}{3} \\[0.7em]
&= \frac{b^2 + ba + a^2}{3}
\end{align}
最後に,一次モーメントと二次モーメントから分散を求めます。
V[X] &= E[X^2] - E[X]^2 \\[0.7em]
&= \frac{b^2 + ba + a^2}{3} - \frac{(b + a)^2}{4} \\[0.7em]
&= \frac{(b - a)^2}{12}
\end{align}
再生性
再生性を示すためには,再生性を示したい分布に従う独立な二つの確率変数を考え,その和のモーメント母関数を計算したときに,パラメータが和の形になっていることを示します。しかし,モーメント母関数の形からも推測される通り,連続一様分布は再生性を持ちません。
ロードマップ
さて,ロードマップに戻りましょう。一様分布は,ロードマップの中での位置付けというのはさほど重要ではなく,情報を持たない確率分布としてベイズ統計で利用されています。以下の内容も参考になるでしょう。
情報を持たない確率分布は「情報を持たないという情報を持つ」確率分布と捉えることもできます。
参考文献
本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。
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