【徹底解説】ゴンぺルツ分布とは

本記事は「これなら分かる!はじめての数理統計学」シリーズに含まれます。

不適切な内容があれば,記事下のコメント欄またはお問い合わせフォームよりご連絡下さい。

ゴンぺルツ分布

Gompertz分布

(1)fX(x)=cexp(bxcbebx+cb)

ゴンぺルツ(Gompertz)分布は,危険率がcebxである確率分布として導入されます。ゴンぺルツ分布に従う確率変数Xに対し,実現値は

(2)xR+

であり,モーメント母関数・平均・分散は複雑なので割愛します。

確率密度関数

ゴンぺルツ分布は,危険率l(t)=cebtで与えられる確率分布として定式化されます。危険率に基づく確率密度関数の導出より,危険率をl()とおくと,確率密度関数fは以下のように表されるのでした。

(3)f(t)=ddtexp(0tl(u)du)

l(t)=cebtを代入します。

(4)f(t)=ddtexp(0tcebudu)(5)=ddtexp(cbebt+cb)(6)=ddt(cbebt)exp(cbebt+cb)(7)=cexp(btcbebt+cb)

モーメント母関数

ゴンぺルツ分布のモーメント母関数は複雑な形をしているため,割愛します。

平均・分散

ゴンぺルツ分布の平均・分散は複雑な形をしているため,割愛します。

再生性

再生性を示すためには,再生性を示したい分布に従う独立な二つの確率変数を考え,その和のモーメント母関数を計算したときに,パラメータが和の形になっていることを示します。上でお伝えした通り,ゴンぺルツ分布のモーメント母関数は複雑な形をしており,モーメント母関数の積を考えても同じ関数の形に帰着しないため,ゴンぺルツ分布に再生性はありません。

ロードマップ

確率分布のロードマップ

ゴンぺルツ分布はロードマップには含まれていませんが,危険率がcebtとなる確率分布として導出されました。以下の内容も参考になるでしょう。

参考文献

本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。

シェアはこちらからお願いします!

コメント

コメントする

※ Please enter your comments in Japanese to distinguish from spam.