【徹底解説】危険率に基づく確率密度関数の導出

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危険率

確率変数$T$とその実現値$t\geq 0$に対し,危険率$l$に基づく確率密度関数$f$は以下のように定義される。

\begin{align}
f(t) &= -\frac{d}{dt} \exp\left\{-\int_{0}^{t}l(u)du \right\}
\end{align}

本定理を用いて指数分布・ワイブル分布・Gompertz分布を導出することができます。

証明

簡単な式変形より,危険率は以下のように変形されます。

\begin{align}
l(t) &= \lim_{\Delta \rightarrow 0}
\frac{1}{\Delta} p(t \leq T < t+\Delta \mid T \geq t) \\[0.7em]
&= \lim_{\Delta \rightarrow 0}
\frac{1}{\Delta} \frac{p(t \leq T < t+\Delta )}{p(T \geq t)} \\[0.7em]
&= \frac{1}{p(T \geq t)} \lim_{\Delta \rightarrow 0}
\frac{F(t+\Delta) - F(t)}{\Delta} \\[0.7em]
&= \frac{F'(t)}{1-F(t)}\\[0.7em]
&= -\frac{d}{dt}\ln \left\{ 1-F(t) \right\}
\end{align}

微分方程式の形に帰着しました。実際に解いてみましょう。

\begin{align}
-\frac{d}{dt}\ln \left\{ 1-F(t) \right\} &= l(t) \\[0.7em]
\ln \left\{ 1-F(t) \right\} &= -\int_{0}^{t}l(u)du + C_0 \\[0.7em]
F(t) &= 1 - C\exp\left\{-\int_{0}^{t}l(u)du \right\}
\end{align}

ここで,累積密度関数の定義より$F(0)=0$になります。この初期条件を利用すれば,$C=1$となることが分かります。最後に,$F(t)$を微分して$f(t)$を求めます。

\begin{align}
f(t) &= \frac{d}{dt}F(t) \\[0.7em]
&= \frac{d}{dt} \left[1-\exp\left\{-\int_{0}^{t}l(u)du \right\}\right] \\[0.7em]
&= -\frac{d}{dt} \exp\left\{-\int_{0}^{t}l(u)du \right\}
\end{align}

参考文献

本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。

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