【徹底解説】部分空間の次元

本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

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部分空間の次元

$V$を$n$次元ベクトル空間とし,$W$を$V$の部分空間とするとき,以下が成り立つ。

  1. $\dim W\leq n$
  2. $\dim W=n$のときに限り$W=V$
  3. $W$の基底を拡大した$V$の基底が存在する

部分空間という言葉の直感にも反しない定理です。部分空間が元の空間の「一部」を意味するというイメージがありますが,1~3のいずれもがしっくりきます。

証明

次元数と一次独立な元の個数の関係より,$V$の一次独立な元の個数は最大で$n$個になります。ゆえに,次元の定義より$\dim W\leq n$が成り立ちます。また,$\dim W=n$のときは,一次独立な元の集合と基底より$W=V$となります。同様に,$\dim W<n$のときは,一次独立な元の集合と基底より$W$の基底を拡大した$V$の基底を作ることができます。以上で,本定理を示すことができました。

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