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目次
ガンマ関数と階乗
任意の正の整数$n$に対して,以下が成り立つ。
\begin{align}
\Gamma(n+1) &= n\Gamma(n) \label{主題1}
\end{align}
\Gamma(n+1) &= n\Gamma(n) \label{主題1}
\end{align}
したがって,以下が成り立つ。
\begin{align}
\Gamma(n+1) &= n! \label{主題2}
\end{align}
\Gamma(n+1) &= n! \label{主題2}
\end{align}
証明
証明では部分積分を利用します。
\begin{align}
\Gamma(n+1) &= \int_0^{\infty}t^{n}e^{-t}dt \\[0.7em]
&= \left[ -t^{n}e^{-t} \right]^{\infty}_{0}-\int_{0}^{\infty}\left(-n t^{n-1}e^{-t}\right)dt \\[0.7em]
&= n\int_{0}^{\infty} t^{n-1}e^{-t}dt \\[0.7em]
&= n\Gamma(n)
\end{align}
\Gamma(n+1) &= \int_0^{\infty}t^{n}e^{-t}dt \\[0.7em]
&= \left[ -t^{n}e^{-t} \right]^{\infty}_{0}-\int_{0}^{\infty}\left(-n t^{n-1}e^{-t}\right)dt \\[0.7em]
&= n\int_{0}^{\infty} t^{n-1}e^{-t}dt \\[0.7em]
&= n\Gamma(n)
\end{align}
したがって,式($\ref{主題1}$)が示されました。これを逐次適用していくと,以下が得られます。
\begin{align}
\Gamma(n+1) &= n!\Gamma(1)
\end{align}
\Gamma(n+1) &= n!\Gamma(1)
\end{align}
こちらのページで説明している通り,$\Gamma(1)=1$であるため,式(\ref{主題2})が示されました。
参考文献
本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。
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