【徹底解説】行列の相似と表現行列

本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

目次

行列の相似と表現行列

An次正方行列とし,α={p1,,pn}Knの一つの基底とする。ただし,Kは複素数空間Cまたは実数空間Rを表す。このとき,p1,,pnを列ベクトルとするn次正則行列を

(1)P=(p1,,pn)

とすれば,LA:KnKnαに関する表現行列は

(2)[LA]α=P1AP

である。すなわち,[LA]αAに相似である。

対角化などで利用される定理です。

証明

P=(pij)とし,Knの標準基底をε={e1,,en}すれば,

(3)pj=i=1npijei

が成り立ちます。ゆえに,基底変換行列の定義において,αεααに置き換えることにより,

(4)P=Tεα

が成り立ちます。したがって,同様に行列の相似と基底変換行列において,αεααに置き換えると,上の主張が示されます。

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