本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
三角行列の固有値
$n$次の三角行列$A$が
\begin{align}
A =
\begin{bmatrix}
\alpha_{1}&&\ast\\
&\ddots&\\
0&&\alpha_{n}
\end{bmatrix}\label{主題}
\end{align}
A =
\begin{bmatrix}
\alpha_{1}&&\ast\\
&\ddots&\\
0&&\alpha_{n}
\end{bmatrix}\label{主題}
\end{align}
と表されているとき,$A$の固有値は$\alpha_{1},\ldots,\alpha_{n}$となる。
三角行列の固有値は対角成分と理解しておきましょう。
証明
式($\ref{主題}$)の固有多項式は,
\begin{align}
f_{A}(x) =
\det\left(
\begin{bmatrix}
x-\alpha_{1}&&\ast\\
&\ddots&\\
0&&x-\alpha_{n}
\end{bmatrix}
\right)
\end{align}
f_{A}(x) =
\det\left(
\begin{bmatrix}
x-\alpha_{1}&&\ast\\
&\ddots&\\
0&&x-\alpha_{n}
\end{bmatrix}
\right)
\end{align}
となります。ここで,三角行列の行列式を用いると,
\begin{align}
f_{A}(x) &= (x-\alpha_{1})\cdots (x-\alpha_{n})
\end{align}
f_{A}(x) &= (x-\alpha_{1})\cdots (x-\alpha_{n})
\end{align}
となります。したがって,$A$の固有値は$\alpha_{1},\ldots,\alpha_{n}$となります。
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