本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
三角行列の行列式
$n$次の三角行列$A$が
\begin{align}
A =
\begin{bmatrix}
\alpha_{1}&&\ast\\
&\ddots&\\
0&&\alpha_{n}
\end{bmatrix}\label{主題}
\end{align}
A =
\begin{bmatrix}
\alpha_{1}&&\ast\\
&\ddots&\\
0&&\alpha_{n}
\end{bmatrix}\label{主題}
\end{align}
と表されているとき,$\det(A)=\alpha_{1}\cdots\alpha_{n}$となる。
三角行列の行列式は対角成分の積と理解しておきましょう。
証明
$A$を以下のように$(1,1)$行列$\alpha_{1}$と$(n-1,n-1)$行列$A_{n-1,n-1}$で区分けします。
\begin{align}
A =
\begin{bmatrix}
\alpha_{1}&\ast\\[0.7em]
0&A_{n-1}
\end{bmatrix}
\end{align}
A =
\begin{bmatrix}
\alpha_{1}&\ast\\[0.7em]
0&A_{n-1}
\end{bmatrix}
\end{align}
ここで,区分けされた行列の行列式より,
\begin{align}
\det(A) &= \alpha_{1}\det(A_{n-1})
\end{align}
\det(A) &= \alpha_{1}\det(A_{n-1})
\end{align}
となります。これを繰り返し適用していくことで,式($\ref{主題}$)が示されます。
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