【徹底解説】正規分布のk次モーメント

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正規分布のk次モーメント

$X\sim\N(\mu,\sigma^{2})$のとき,

\begin{align}
E[(X-\mu)^{k}] &=
\begin{cases}
\displaystyle
\frac{\Gamma((k+1)/2)}{\Gamma(1/2)}(2\sigma^{2})^{k/2}&(k=2m)\\[0.7em]
\displaystyle
0&(k=2m+1)
\end{cases}
\end{align}

が成り立つ。ただし,$m=0,1,\ldots$とする。

証明

$Z\sim\N(0,1)$の$k$次モーメントから求めます。$E[Z^{k}]$の被積分関数を$f$とおくと

\begin{align}
f(x) &= x^{k}\frac{e^{-x^{2}/2}}{\sqrt{2\pi}}
\end{align}

となります。$k$が奇数のとき,$k=2m+1$とおくと,

\begin{align}
f(-x) &= (-x)^{2m+1}\frac{e^{-(-x)^{2}/2}}{\sqrt{2\pi}}
= -x^{2m+1}\frac{e^{-x^{2}/2}}{\sqrt{2\pi}}
= -f(x)
\end{align}

となるため,$f$は奇関数となります。したがって,

\begin{align}
E[Z^{k}] &= \int_{-\infty}^{\infty}f(x)dx = 0
\end{align}

が得られます。$k$が偶数のとき,$Y=Z^{2}$とおくと$Y$は自由度$1$のカイ二乗分布に従うため,

\begin{align}
E[Z^{k}]
&= E[Y^{k/2}]
= \int_{0}^{\infty}y^{k/2}\frac{y^{1/2-1}e^{-y/2}}{2^{1/2}\Gamma(1/2)}dy\\[0.7em]
&= \frac{2^{(k+1)/2}\Gamma((k+1)/2)}{2^{1/2}\Gamma(1/2)}\int_{0}^{\infty}\frac{y^{(k+1)/2-1}e^{-y/2}}{2^{(k+1)/2}\Gamma((k+1)/2)}dy
= \frac{2^{k/2}\Gamma((k+1)/2)}{\Gamma(1/2)}\label{1}
\end{align}

が得られます。ここで,$X$を標準化すると$Z$となる関係

\begin{align}
Z &= \frac{X-\mu}{\sigma^{2}}
\end{align}

に注意すると,

\begin{align}
E[Z^{k}]
&= E\left[\left(\frac{X-\mu}{\sigma}\right)^{k}\right]
= \frac{1}{\sigma^{k}}E[(X-\mu)^{k}]\label{2}
\end{align}

が得られるため,式($\ref{1}$)と式($\ref{2}$)より

\begin{align}
E[(X-\mu)^{k}]
&= \frac{2^{k/2}\Gamma((k+1)/2)}{\Gamma(1/2)}\sigma^{k}
= \frac{\Gamma((k+1)/2)}{\Gamma(1/2)}(2\sigma^{2})^{k/2}
\end{align}

が示されました。

参考文献

本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。

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