【徹底解説】負の二項分布のポアソン近似

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負の二項分布のポアソン近似

負の二項分布は

\begin{align}
{}_{-r}C_{x}~p^{r}(-q)^{x} &= \frac{(r+x-1)!}{x!(r-1)!}p^{r}q^{x}
\approx \frac{\lambda^{x}e^{-\lambda}}{x!}
\end{align}

とポアソン近似される。

証明

やや恣意的ですが,$r=\lambda/c$,$p=1/(1+c)$とおいて,$c\rarr 0$とします。

\begin{align}
f(x)
&= \lim_{c\rarr 0}\frac{(\lambda/c+x-1)!}{x!(\lambda/c)!}\left(\frac{1}{1+c}\right)^{\lambda/c}\left(\frac{c}{1+c}\right)^{x}\\[0.7em]
&= \lim_{c\rarr 0}\frac{1}{x!}(\lambda+(x-1)c)\cdots(\lambda+1)\lambda\{(1+c)^{c}\}^{-\lambda}(1+c)^{-x}\\[0.7em]
&= \frac{\lambda^{x}e^{-\lambda}}{x!}
\end{align}

$r$が大きな数,$p$も$1$に近い数を考えたときに,$\NB(r,p)$は「ほとんど成功する事象を大量に試行したときに失敗する回数」を表す分布となります。これは「滅多に生じない事象を表す確率分布」を表しており,ポアソン分布で近似できることを示唆しています。

参考文献

本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。

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