【徹底解説】確率関数の定義

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確率関数

離散型確率変数$X$に対して

\begin{align}
f_{X}(x) &= P(X=x)
\end{align}

で定義される非負関数$f_{X}(\cdot)$を確率質量関数と呼ぶ。また,$X$が連続型確率変数のときは

\begin{align}
\int_{a}^{b} f_{X}(x) dx &= P(a\leq X \leq b)
\end{align}

で定義される非負関数$f_{X}(\cdot)$を確率密度関数と呼ぶ。

引っかかりやすいポイントですね。「確率関数?質量?密度?」となると思います。確率分布を定義するためには関数を定義する必要があり,そのために確率関数というものが持ち出されたという捉え方をしましょう。関数を離散型と連続型で場合分けすることで,シグマと積分を使い分けることができ,うまい具合に枠組みが整理されるという利点があります。このような背景から,離散型の関数である確率質量関数と,連続型の関数である確率密度関数が出てきたのです。質量は離散,密度は連続を表しているものとして考えてOKです。

補足

確率密度関数は以下のように定義されることもあります。

\begin{align}
f(x) &= \lim_{\varepsilon\rightarrow 0}\frac{P(x\leq X\leq x+\varepsilon)}{\varepsilon} \label{別の定義}
\end{align}

式($\ref{別の定義}$)に基づくと,確率密度そのものは確率とは異なる概念ではあるものの,確率に比例する概念であることが分かります。

参考文献

本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。

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