【徹底解説】モーメントの定義

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モーメント

離散型確率変数$X$に対して,$g(x_k)=x_k^m$としたときの期待値を$X$の$m$次モーメントと呼ぶ。ただし,$m$は自然数とする。また,$X$が連続型確率変数の場合は,$g(x)=x^m$としたときの期待値を$X$の$m$次モーメントと呼ぶ。

統計学の理論はわざわざモーメントという用語を定義しなくても発展させることはできると思います。一方で,モーメントを導入することで,後に説明する確率母関数やモーメント母関数と微分操作を組み合わせることで計算を劇的に楽にすることができるだけでなく,歪度や尖度などと親和性の高い議論が可能になります。そのような意味でも,上記のモーメントを天下り的にも定義しておく必要があるのです。モーメントは確率変数のべき乗に対して定義される値であるため,別名「積率」とも呼ばれています。

補足

$E[X^m]$は原点周りの$m$次モーメントと呼ばれることがあります。例えば,期待値$E[X]$は原点周りの一次モーメントとなります。同様に,$E[(x-a)^m]$は$a$周りの$m$次モーメントと呼ばれることがあります。例えば,分散$E[(x-\mu)^2]$は平均$\mu$周りの二次モーメントとなります。平均周りのモーメントは,中心モーメントと呼ばれることもあります。

参考文献

本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。

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