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目次
リーマンゼータ関数とバーゼル問題
$s$を複素数,$n$を自然数とするとき,リーマンゼータ関数は以下のように定義される。
\begin{align}
\zeta(s) &= \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^s}
\end{align}
\zeta(s) &= \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^s}
\end{align}
特に,$\zeta(2)$はバーゼル問題として知られていて,オイラーによって値が求められた。
\begin{align}
\zeta(2) &= \frac{\pi^2}{6} \label{主題}
\end{align}
\zeta(2) &= \frac{\pi^2}{6} \label{主題}
\end{align}
リーマンゼータ関数は,リーマン予想に代表されるように未だに分かり切っていない側面がある関数でもありますが,数学的に非常に重要な役割を果たします。
証明
オイラーは,平方和の逆数の全ての和が出現する手法として正弦波のマクローリン展開を考えました。
\begin{align}
\sin x &= \frac{x^1}{1!}-\frac{x^3}{3!}+\frac{x^5}{5!}-\frac{x^7}{7!}+\cdots
\end{align}
\sin x &= \frac{x^1}{1!}-\frac{x^3}{3!}+\frac{x^5}{5!}-\frac{x^7}{7!}+\cdots
\end{align}
両辺を$x$で割ります。
\begin{align}
\frac{\sin x}{x} &= \frac{1}{1!}-\frac{x^2}{3!}+\frac{x^4}{5!}-\frac{x^6}{7!}+\cdots \label{マクローリン展開}
\end{align}
\frac{\sin x}{x} &= \frac{1}{1!}-\frac{x^2}{3!}+\frac{x^4}{5!}-\frac{x^6}{7!}+\cdots \label{マクローリン展開}
\end{align}
一方で,$\sin x/x$は$x=\pm n\pi$のときに$0$となるため,以下のように因数分解されます。
\begin{align}
\frac{\sin x}{x} &= \left( 1-\frac{x}{\pi} \right)\left( 1+\frac{x}{\pi} \right)\left( 1-\frac{x}{2\pi} \right)\left( 1-\frac{x}{2\pi} \right)\cdots
\end{align}
\frac{\sin x}{x} &= \left( 1-\frac{x}{\pi} \right)\left( 1+\frac{x}{\pi} \right)\left( 1-\frac{x}{2\pi} \right)\left( 1-\frac{x}{2\pi} \right)\cdots
\end{align}
隣接する二項を掛け合わせます。
\begin{align}
\frac{\sin x}{x} &= \left( 1-\frac{1}{1^2\pi^2}x^2 \right)\left( 1-\frac{1}{2^2\pi^2}x^2 \right)\cdots \label{因数分解}
\end{align}
\frac{\sin x}{x} &= \left( 1-\frac{1}{1^2\pi^2}x^2 \right)\left( 1-\frac{1}{2^2\pi^2}x^2 \right)\cdots \label{因数分解}
\end{align}
我々が求めたいのは平方和の逆数の全ての和ですので,式($\ref{因数分解}$)において出現してくれた$x^2$の係数に注目します。
\begin{align}
-\left(\frac{1}{1^2\pi^2}+\frac{1}{2^2\pi^2}+\cdots\right) &= -\frac{1}{\pi^2}\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^2} \label{1}
\end{align}
-\left(\frac{1}{1^2\pi^2}+\frac{1}{2^2\pi^2}+\cdots\right) &= -\frac{1}{\pi^2}\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^2} \label{1}
\end{align}
一方,式($\ref{マクローリン展開}$)における$x^2$の係数は以下でした。
\begin{align}
-\frac{1}{3!} &= -\frac{1}{6} \label{2}
\end{align}
-\frac{1}{3!} &= -\frac{1}{6} \label{2}
\end{align}
式($\ref{1}$)と式($\ref{2}$)が等しいことより,式($\ref{主題}$)が導かれます。
参考文献
本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。
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