本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
エルミート双一次形式とエルミート変換
$V$を$\mK$上の$n$次元内積空間とし,$f$を$V$上の共役双一次形式,$F$を$V$の線型変換とする。このとき,$f$がエルミート双一次形式であるためには,$F$がエルミート変換であることが必要かつ十分である。
エルミート双一次形式とエルミート変換が一対一対応することを意味しています。
証明
$f$がエルミートであることは,
\begin{align}
\overline{f(u,v)} &= f(u,v)
\end{align}
\overline{f(u,v)} &= f(u,v)
\end{align}
を満たすこととして定義されるのでした。両辺に共役双一次形式と線型変換の関係を適用すると,
\begin{align}
\overline{(v\mid F(u))} = (F(u)\mid v) = (u\mid F(v))
\end{align}
\overline{(v\mid F(u))} = (F(u)\mid v) = (u\mid F(v))
\end{align}
が得られます。これは,$F$がエルミートであることを示しています。したがって,上の主張が示されました。
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