【徹底解説】ガウスの消去法とは

本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

目次

ガウスの消去法

拡大係数行列に対する行基本変形を繰り返し行うことにより連立一次方程式を解くアルゴリズムのことを,ガウスの消去法といい,次の二つのステップから構成される。

  1. 前進消去
    • 拡大係数行列に行基本変形を繰り返し適用して係数行列を上三角行列にする
  2. 後退代入
    • 上三角行列に行基本変形を繰り返し適用して係数行列を単位行列にする

中学校の数学で連立方程式を解く方法として「代入法」と「加減法」を学びますが,ガウスの消去法は加減法を行列で表現した概念といえます。

具体例

つぎの連立一次方程式をガウスの消去法で解いてみます。

\begin{align}
\left\{
\begin{alignedat}{3}
x&+y&&+z&&= 1\\[0.7em]
x&+2y&&+2z&&= 2\\[0.7em]
2x&+3y&&-4z&&=-1
\end{alignedat}
\right.
\end{align}

拡大係数行列に対して行基本変形を施します。

このとき,列基本変形を行なってはいけないことに注意してください。拡大係数行列行に対する基本変形は連立方程式の解法における「加減法」に相当しますが,拡大係数行列の列基本変形は連立方程式の係数を操作することに相当してしまうからです。仮に,拡大係数行列の定義が$[A,\vb]^{T}$だとすれば列基本変形で解くことになりますが,一般には拡大係数行列は$[A,\vb]$として定義されますので列基本変形は不適切です。

まずは前進消去を行います。

\begin{align}
\begin{bmatrix}
1 & 1 & 1 & 6\\
1 & 2 & 2 & 11\\
2 & 3 & -4 & 3
\end{bmatrix}
&\longrarr
\begin{bmatrix}
1 & 1 & 1 & 6\\
0 & 1 & 1 & 5\\
0 & 1 & -6 & -9
\end{bmatrix}\\[0.7em]
&\longrarr
\begin{bmatrix}
1 & 1 & 1 & 6\\
0 & 1 & 1 & 5\\
0 & 0 & -7 & -14
\end{bmatrix}\\[0.7em]
&\longrarr
\begin{bmatrix}
1 & 1 & 1 & 6\\
0 & 1 & 1 & 5\\
0 & 0 & 1 & 2
\end{bmatrix}
\end{align}

続いて,後退消去を行います。

\begin{align}
\begin{bmatrix}
1 & 1 & 1 & 6\\
0 & 1 & 1 & 5\\
0 & 0 & 1 & 2
\end{bmatrix}
&\longrarr
\begin{bmatrix}
1 & 1 & 0 & 4\\
0 & 1 & 0 & 3\\
0 & 0 & 1 & 2
\end{bmatrix}\\[0.7em]
&\longrarr
\begin{bmatrix}
1 & 0 & 0 & 1\\
0 & 1 & 0 & 3\\
0 & 0 & 1 & 2
\end{bmatrix}
\end{align}

上式は次を表しています。

\begin{align}
\left\{
\begin{alignedat}{1}
x &&= 1\\[0.7em]
y &&= 3\\[0.7em]
z &&= 2\\[0.7em]
\end{alignedat}
\right.
\end{align}

以上より,ガウスの消去法に基づいて連立一次方程式を解くことができました。

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