本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
相違なる固有値と固有ベクトル
$V$を$\mK$上の$n$次元内積空間とする。ただし,$\mK$は複素数空間$\mC$または実数空間$\mR$を表す。$F$を$V$の線型変換とし,$F$の相違なる固有値を$\alpha_{1},\ldots,\alpha_{s}$,それらに対する固有ベクトルを$v_{1},\ldots,v_{s}$とする。このとき,$v_{1},\ldots,v_{s}$は一次独立になる。
相異なる固有値に対する固有ベクトルは一次独立になるという定理です。
証明
相違なる固有値と広義の固有ベクトルより,広義の固有ベクトルの定義は固有ベクトルを含みますので,ただちに上の主張が示されます。
コメント