本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
行列の階数
$\mR^{n}$から$\mR^{m}$への線型写像の表現行列を$A$とし,$A$の列ベクトルを$\va_{1},\ldots,\va_{n}$,$A$の行ベクトルを$\va^{1},\ldots,\va^{m}$とする。このとき,列ベクトルによって貼られる$\mR^{m}$の部分空間の次元
\begin{align}
\dim \langle\va_{1},\ldots,\va_{n}\rangle
\end{align}
\dim \langle\va_{1},\ldots,\va_{n}\rangle
\end{align}
を$A$の列階数といい,列ベクトルによって貼られる$\mR^{n}$の部分空間の次元
\begin{align}
\dim \langle\va^{1},\ldots,\va^{m}\rangle
\end{align}
\dim \langle\va^{1},\ldots,\va^{m}\rangle
\end{align}
を$A$の行階数という。
併せて線型写像の階数の性質もおさえましょう。
補足
上の定義より,列階数は行列$A$の定める線形写像$L_{A}$の像の次元に他なりません。これは,線型写像の定義に一致します。したがって,行列の列階数と線型写像の階数は一致します。加えて,行列の列階数と行階数も等しくなりますので,結局以下はすべて同等になります。
- 線型写像の階数
- 行列の列階数
- 行列の行階数
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