【徹底解説】エルミート形式の符号の定義

本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

目次

エルミート形式の符号

$V$を実数空間$\mR$または複素数空間$\mC$上のベクトル空間,$f$を$V$上のエルミート双一次形式とする。$f(v_{i},v_{i})=c_{i}$とし,$c_{i}>0,c_{i}=0,c_{i}<0$である$i$の個数をそれぞれ$p,q,s$とする。このとき,整数の組$(p,q)$をエルミート形式$f$の符号という。また,

  • 符号が$(n,0)$であるならば$f$は正定値
  • 符号が$(p,0)$であるならば$f$は半正定値
  • 符号が$(0,n)$であるならば$f$は負定値
  • 符号が$(0,q)$であるならば$f$は半負定値

であるという。

$p+q+s=n$より,符号から$s$の値も一意に定まる点に注意して下さい。また,正定値は正値/正,半正定値は半正値/半正,負定値は負値/負,半負定値は半負値/半負と呼ばれることもあります。

補足

以下のように定義される場合もあります。

$0$以外の全ての$V$の元$v$に対して,

  • $f(v,v)>0$であるならば$f$は正定値
  • $f(v,v)\geq 0$であるならば$f$は半正定値
  • $f(v,v)<0$であるならば$f$は負定値
  • $f(v,v)\leq 0$であるならば$f$は半負定値
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