【徹底解説】互いに素な整数の積とそれらで割り切れる整数の関係

本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

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互いに素な整数の積とそれらで割り切れる整数の関係

自然数$m_{1},\ldots,m_{k}$のどの二つも互いに素であるとき,整数$a$がこれらのいずれでも割り切れるならば,$a$は

\begin{align}
M &= \prod_{i=1}^{k}m_{i}
\end{align}

で割り切れる。

証明

帰納法で示します。$k{=}2$のとき,$m_{1},m_{2}$が互いに素ならば最大公約数が$1$となるため,整数の積の最大公約数と最小公倍数による表現より$m_{1},m_{2}$の最小公倍数は積$M{=}m_{1}m_{2}$となります。一方,$a$は$m_{1},m_{2}$のいずれでも割り切れることから$a$は$m_{1},m_{2}$の公倍数であり,$a$は$M$の倍数となります。したがって,$k{=}2$のときは題意を満たします。

$k{>}2$のとき,$m_{1},\ldots,m_{k}$のどの二つも互いに素となるため,互いに素な整数からなる積の性質より,積$m_{1}\cdots m_{k-1}$と$m_{k}$は互いに素になります。$m_{1}\cdots m_{k-1}$と$m_{k}$に$k{=}2$のときの議論を適用すると,全く同様にして$k{>}2$のときに題意をみたすことが示されます。

参考文献

本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。

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