本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
互いに素の性質<整数の積>
$a$と互いに素な整数$m_{1},m_{2}$に対し,$m_{1}m_{2}$は$a$と互いに素となる。
整数論でよく利用される性質です。
証明
互いに素の定義より,
\begin{align}
\gcd(a,m_{1}) &= 1\\[0.7em]
\gcd(a,m_{2}) &= 1
\end{align}
\gcd(a,m_{1}) &= 1\\[0.7em]
\gcd(a,m_{2}) &= 1
\end{align}
が成り立ちます。ただし,$\gcd(x,y)$は整数$x,y$の最大公約数を表します。これは,$m_{1}$と$m_{2}$には$a$の約数が含まれていないことを示しています。したがって,積$m_{1}m_{2}$にも$a$の約数は含まれていません。すなわち,
\begin{align}
\gcd(a,m_{1}m_{2}) &= 1
\end{align}
\gcd(a,m_{1}m_{2}) &= 1
\end{align}
となります。互いに素の定義より,$a$と$m_{1}m_{2}$が互いに素であることが示されました。
参考文献
本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。
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