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目次
モーメント法
標本値から計算される中心モーメントによる連立方程式の解を確率密度関数$f(x;\theta)$のパラメータ$\theta=(\theta_{1},\ldots,\theta_{m})$の推定値とする方法を,モーメント法という。
例えばガンマ分布のパラメータは最尤推定解を陽な形で求めることができないため,モーメント法が有効になることがあります。
説明
中心モーメントの定義より,$k$次中心モーメントを$\mu_{k}$とおくと,
\begin{align}
\mu_{1} &= \int xf(d;\theta)dx\\[0.7em]
\mu_{k} &= \int (x-\mu_{k})^{k}f(d;\theta)dx\quad(k=2,3,\ldots)
\end{align}
\mu_{1} &= \int xf(d;\theta)dx\\[0.7em]
\mu_{k} &= \int (x-\mu_{k})^{k}f(d;\theta)dx\quad(k=2,3,\ldots)
\end{align}
となります。右辺が$\theta$の関数であることと,$k$に上限がないことに注意すると,$\theta=(\theta_{1},\ldots,\theta_{m})$の解が求まる程度に十分大きな$K$次中心モーメントまで考えて連立方程式を立てることができます。これを解くことにより,$j=1,\ldots,m$に対し,
\begin{align}
\theta_{j} &= g_{j}(\mu_{1},\ldots,\mu_{K})
\end{align}
\theta_{j} &= g_{j}(\mu_{1},\ldots,\mu_{K})
\end{align}
が得られます。モーメント法では,この$\theta_{j}$を$\theta$の推定値とします。
参考文献
本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。
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