【徹底解説】モーメント母関数の性質

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モーメント母関数の性質

$M_{X}(\cdot)$を$X$のモーメント母関数とするとき,次が成り立つ。

\begin{align}
M_{X}^{(m)}(0) &= E\left[X^m\right]
\end{align}

モーメント母関数の真骨頂でもある定理です。モーメント母関数を$m$回微分して$0$を代入すると,$X$の$m$次モーメントを計算することができるのです。確率母関数では$t=1$を代入していましたが,モーメント母関数では$t=0$を代入する点に注意が必要です。

証明

微分演算と期待値の順序交換より,

\begin{align}
M_{X}^{(m)}(0) &\equiv \left.\frac{d^m}{dt^m}M_{X}(t)\right|_{t=0} \\[0.7em]
&= \left.\frac{d^m}{dt^m}E \left[ e^{tX} \right]\right|_{t=0} \\[0.7em]
&= \left.E\left[\frac{d^m}{dt^m} e^{tX}\right]\right|_{t=0} \\[0.7em]
&= \left.E\left[ X^m e^{tX}\right]\right|_{t=0} \\[0.7em]
&= E\left[ X^m \right]
\end{align}

となります。

本質的には,微分と積分の順序交換が可能であることを仮定しています。

参考文献

本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。

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