【徹底解説】リーマンゼータ関数とバーゼル問題

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リーマンゼータ関数とバーゼル問題

sを複素数,nを自然数とするとき,リーマンゼータ関数は以下のように定義される。

(1)ζ(s)=n=11ns

特に,ζ(2)はバーゼル問題として知られていて,オイラーによって値が求められた。

(2)ζ(2)=π26

リーマンゼータ関数は,リーマン予想に代表されるように未だに分かり切っていない側面がある関数でもありますが,数学的に非常に重要な役割を果たします。

証明

オイラーは,平方和の逆数の全ての和が出現する手法として正弦波のマクローリン展開を考えました。

(3)sinx=x11!x33!+x55!x77!+

両辺をxで割ります。

(4)sinxx=11!x23!+x45!x67!+

一方で,sinx/xx=±nπのときに0となるため,以下のように因数分解されます。

(5)sinxx=(1xπ)(1+xπ)(1x2π)(1x2π)

隣接する二項を掛け合わせます。

(6)sinxx=(1112π2x2)(1122π2x2)

我々が求めたいのは平方和の逆数の全ての和ですので,式(6)において出現してくれたx2の係数に注目します。

(7)(112π2+122π2+)=1π2n=11n2

一方,式(4)におけるx2の係数は以下でした。

(8)13!=16

式(7)と式(8)が等しいことより,式(2)が導かれます。

参考文献

本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。

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