統計検定1級の過去問解答解説を行います。目次は以下をご覧ください。
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問題
統計検定1級の過去問からの出題になります。統計検定の問題の著作権は日本統計学会に帰属していますので,本稿にて記載することはできません。「演習問題を俯瞰する」で詳しく紹介している公式の過去問題集をご購入いただきますようお願い致します。
解答
分散分析モデルの検定と欠損値に関する出題でした。
(1)
正規分布の再生性よりの従う分布は正規分布であり,平均と分散は下記のように計算されます。
(2)
与式(1)の両辺の期待値をとることにより,
が得られます。制約条件を使うために両辺のに関する総和を考えると,
が得られます。ただし,とおきました。二つの式の和を考えることにより,
が得られます。これを元の式に代入することにより,
が得られます。
(3)
- (a): 統計量はで,帰無分布は
- (b): 統計量はで,帰無分布は
,パラメータの因子を,パラメータの因子をとおき,
とおくとき,総平方和は間平方和,間平方和,残差平方和を用いて
と分解されます。
自分自身の二乗和以外の項はの項が出現して消えてしまうからです。
,,はそれぞれ
と表され,自由度はそれぞれ,,となります。
で「」されているのは,群の平均が分かれば残りの群の平均も分かるからです。同様に,で「」されているのは,群の平均が分かれば残りの群の平均も分かるからです。同様に,で「」されているのは,群の平均が分かれば残りの群の平均も分かるからです。
帰無仮説(a)について,はと同値になりますので,統計量で要因に関する検定を行えばよく,帰無分布はとなります。同様にして,帰無仮説(b)について,はと同値になりますので,統計量で要因に関する検定を行えばよく,帰無分布はとなります。
(4)
まず,とがそれぞれ従う分布から,は,はとに関する情報を保持している。そのため,が欠損した場合はの情報を得ることができず,たとえを得たとしても帰無仮説(a)で扱うの推定量にが貢献することはできない。したがって,を除く個のデータを用いた分散分析に基づく検定を行えばよいことが分かる。
具体的に最尤推定量を求めて議論できますが,too muchな印象を受けます。
(5)
前問(4)と同様に,とがそれぞれ従う分布から,は,はとに関する情報を保持している。そのため,が欠損した場合はの情報を得ることができないが,代わりにの保持するの情報を用いて帰無仮説(a)で扱うの推定量に貢献することができる。例えば,の値がの値と大きくかけ離れている場合は,の値との値は異なる値で推定した方が合理的である。このように,を除く個のデータを用いた分散分析に基づく検定を行うよりも,も含めた個のデータを用いた分散分析に基づく検定を行った方が,合理的な推定を行うことができる。
前問同様,具体的に最尤推定量を求めて議論できますが,too muchな印象を受けます。
コメント
コメント一覧 (3件)
式(10)のSAとSBが理解できないです。
例えば要因Aに関するF検定ならば、水準Aの平方和を用いて計算を行うので
ではないのでしょうか。
ご質問ありがとうございます。
を代入して を と だけで表すと等価であることが示せます。
ただ,ご指摘の表記が平方和として一般的であるため本文を修正しました。
ありがとうございました。