【過去問解答】2013年統計検定1級<数理統計問3>

統計検定1級の過去問解答解説を行います。目次は以下をご覧ください。

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問題

統計検定1級の過去問からの出題になります。統計検定の問題の著作権は日本統計学会に帰属していますので,本稿にて記載することはできません。「演習問題を俯瞰する」で詳しく紹介している公式の過去問題集をご購入いただきますようお願い致します。

解答

小問1

二項分布の平均と分散の導出方法は二項分布のページを参照してください。

小問2

二項分布の対数尤度関数L(p)を求めます。

(1)L(p)=lognCxpx(1p)nx(2)xlogp+(nx)log(1p)

p^は対数尤度関数を最大にするpであることから,

(3)L(p)=xpnx1p=0(4)p^=xn

小問3

p^pの不偏推定量であることを示すためには,E[p^]=pであることを示せばよいです。

(5)E[p^]=E[xn](6)=1nE[x](7)=1nnp(8)=p

したがって,p^pの不偏推定量です。

小問4

まず,p^の分散を求めてしまいましょう。

(9)ωn(p)=V[p^](10)=1n2V[x](11)=p(1p)n

先ほどと同様に,ωn(p^)ωn(p)の不偏推定量であるかどうかはE[ωn(p^)]ωn(p)と等しくなるかどうかを確認すればよいです。

(12)E[ωn(p^)]=E[p^(1p^)n](13)=E[xn2(1xn)](14)=pnpn2{(1p)+np}(15)=p(1p)n(n1n)(16)=n1nωn(p)(17)ωn(p)

したがって,ωn(p^)ωn(p)の不偏推定量ではありません。

小問5

小問4の結果から,ωn(p^)ωn(p)(n1)/n倍だけ過小評価してしまうことが分かりました。この過小評価は,nが小さいときに顕著に現れ,nが十分大きいときはωn(p^)ωn(p)の良い近似になっていることも分かります。

正規近似によるpα信頼区間は,正規分布の右側α/2点をz(α2)とすると,

(18)p^z(α2)ωn(p^)pp^+z(α2)ωn(p^)

となります。一方,nが小さいとき,ωn(p^)は本来のωn(p)を過小評価してしまっているため,pの被覆確率も過小評価してしまっていることになります。すると,正規近似によるpα信頼区間を正確に推定できていないことになります。したがって,nが小さいときはpの分散として過小評価分を修正した

(19)nn1ωn(p^)

を利用すると区間推定の正確性をある程度担保できると考えられます。

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