【徹底解説】LPIC-2合格へのロードマップ

目次

はじめに

本稿では,LPIC-2合格を最短最速で目指すための方法をお伝えします。

LPICについて

LPICはLinux Professional Institute Certificationの略称で,LPIと呼ばれる非営利団体が主催しているLinuxのグローバルスタンダードな認定試験です。Linuxはオープンソースであるという特性から特定のベンダーが恣意的な認定資格を作ってしまうフォースが働いてしまいますが,LPICはあくまでも中立的な立場を貫いているため,Linuxに関する公平公正な知識・技能を評価することができます。

Linuxの認定試験としてはLinuCも有名であり,LinuC公式ページではLPICとの関係性を「LinuCはクラウド時代の即戦力であることを証明できる認定資格として新しく生まれ変わりました」と説明しています。LPICの主催団体はLPI,LPICの主催団体はLPI日本支部という違いがあり,評価できる知識・技能には多少の差はあるものの大きな違いは現時点ではないため,グローバルスタンダードなLPICが今でも選ばれ続けている印象があります。

LPICについては下記の公式ページをご参照ください。

位置付け

LPIC認定資格には以下の種類があります。

  • Essentials
  • Linux Professional
  • Open Technology

LPICはこのうち「Linux Professional」に該当し,Linuxシステム管理者の知識と技能を評価するために設計されています。LPICにはさらに以下の種類があります。

  • LPIC-1 Exam 101
  • LPIC-1 Exam 102
  • LPIC-2 Exam 201
  • LPIC-2 Exam 202
  • LPIC-3 Exam 300
  • LPIC-3 Exam 303
  • LPIC-3 Exam 305
  • LPIC-3 Exam 306

LPICでは上位レベルの認定には下位レベルの認定が必須条件となっています。すなわち,LPIC-1の受験資格はなく,LPIC-2の受験にはLPIC-1の合格が必須で,LPIC-3の受験にはLPIC-2の合格が必須となっています。LPIC-1は101と102の両方に合格すると認定され,LPIC-2も同じく101と102の両方に合格すると認定されます。一方,LPIC-3はいずれか一つだけに合格することで該当資格の認定を受けることができます。

試験範囲

進化する技術に対応するため,LPICの試験科目は平均3年ごとに更新されます。したがって,現行バージョンで出題される試験範囲は必ずおさえておきましょう。公式Youtubeでも名言されていますが,試験範囲の「総重量」を足し合わせると60になりますので,「総重量」は各分野で出題される問題数そのものを表します。「総重量」の大きい分野から順に勉強するとよいでしょう。

科目・合格基準・時間・形式・料金

項目内容
時間90分
問題数60問
形式多肢選択式および穴埋め式
合格基準公表なし(推定65%)
料金公式サイトの「国別コスト」参照
形式CBT
有効期限再受験またはより高いレベルに合格しない限り5年間

対策

LPIC-2には201と202がありますが,どちらも同様の方針で対策可能です。

STEP
読み物で下地準備

資格対策書ではない一般書によりLinuxの概要を理解します

STEP
知識インプット

参考書・Youtube・Udemy・Webページから自分に合ったコンテンツを選びます

STEP
演習問題回し

本番形式の演習問題を回します

STEP
最終チェック

間違えた問題のポイントをまとめて直前に暗記します

読み物で下地準備

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LPIC-1合格へのロードマップでも紹介した上記書籍がおすすめです。

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LPIC-1合格へのロードマップでは任意扱いしていた上記書籍も,LPIC-2に向けてはできればおさえておきたいです。内容が重複する部分があったり,LPIC-2に対してはややオーバースペックな部分があったりするのですが,いわゆる試験対策を始める前に軽く一通り斜め読みしておくことで知識の定着度が非常に高まります。

知識インプット

自分にあったインプットコンテンツとしては以下が挙げられます。

  • 参考書
  • Youtube
  • Udemy
  • Webページ

それぞれのコンテンツについて管理人のおすすめを紹介します。

参考書

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LPICの対策本としては「あずき本」と「スピマス」が有名です。どちらもベストセラーであり,web上の情報でもどちらかをおすすめしていることがほとんどです。しかし,これらの二冊には大きな違いがあると管理人は考えています。というのも,難易度が全く違うのです。あずき本の方が説明が簡潔で分かりやすい代わりに,そこまで深くまで知ることができません。一方,スピマスは説明がかなり詳しい代わりに理解に時間がかかります。正直,LPIC-2の合格を目指すだけであれば圧倒的にあずき本をおすすめしますが,Linuxの本質的な理解を目指したいのであればスピマスをおすすめします。

他にもあずき本は「説明→まとめて章末問題」という構成ですが,スピマスでは「問題→説明→問題→説明…」という構成になっています。

Youtube

公式Youtubeの「LPIC-2」という再生リストが参考になります。とはいえ内容はやや冗長ですので,LPIC-2対策としては上述の「あずき本」か「スピマス」で十分でしょう。

Udemy

Udemyでは「LPIC向け対策講座」を受講するよりも,ポイントでLinuxで理解に苦しむポイントについて参考にするとよいでしょう。管理人はLPIC-1〜LPIC-2を通して以下の講座を利用しました。

Webページ

Linux学習のコツは「由来から覚えること」です。オプションをそのまま覚えようとしても全く頭に残らないため,可能な限り生成AIを用いて由来を理解するようにしましょう。時々全く由来のないオプションなども出てきますが,たいていの場合は由来とセットで覚えると理解が促進されるものがほとんどです。Web上のコンテンツとしては,LinuC向けではありますがLinuCイージスが利用できるでしょう。CCNAイージスと同様に古めかしいUIではありますが非常に良質なコンテンツです。

演習問題回し

演習問題としてはあずき本かスピマスに付属している問題を解くだけで十分です。CCNAやAWSのようにping-tに頼らなくても十分合格を目指せます。また,LPIC-2については学易という有料学習サイトで無料公開されていますので,必ずチェックするようにしておいてください。

学易さんとしては教材の質の高さをLPIC-2で受験生に体感してもらい,有料のLPIC-3への導線とするスキームなのでしょう。このスキームに乗っかってしまうのが吉です。

最終チェック

演習問題を2周できる方は,2周目は間違えた問題のポイントをまとめるようにしてください。1周しかできない方は1周目で間違えた問題だけ見直す方針でもOKです。管理人は以下のようなポイント集を作って直前に見直していました。

管理人は間違いだけでなく理解したいポイントも併せて言語化するようにしています。まとめる媒体としてはNotionでも紙のノートでも何でも構いません。

おわりに

LPICはグローバルスタンダードなLinux認定資格であることから,資格を取ることによりプレゼンスを上げることが目的である方がほとんどでしょう。しかし,Linuxはエンジニアとして理解が必須である共通言語であるともいえます。時代の流れが早いIT系の中でオープンソースのOSとして長い間確固たる地位を保持し続けてきたLinuxはOS界の王様ともいえ,レガシーシステムからクラウドシステムまで今でも幅広く利用されている技術です。安直な言葉を使えば,Linuxを学ぶことでエンジニアの素養を身に付けることができます。この素養は,例えばAWSでEC2やAuroraなどのマネージドサービスを扱う場合にも理解が必須である内容であるだけでなく,gitを使った日々の作業でも大活躍する知識になります。ぜひ資格取得という目的を超え,たまには寄り道をしながらLinuxの本質的な理解を目指して勉強してみてください。

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