【徹底解説】CCNA合格へのロードマップ

目次

はじめに

本稿では,CCNA合格を最短最速で目指すための方法をお伝えします。

CCNAについて

CCNAはCisco Certified Network Associateを正式名称とし,Ciscoが公式に開催しているネットワーク技術者の認定資格です。日本だけでなく海外でも同一の内容の認定試験が開催されており,ネットワークエンジニアやインフラエンジニアに必要とされる基本的な知識をグローバルに評価できる資格の一つでもあります。2024年12月現在は200-301バージョンからの出題となっています。

位置付け

Ciscoの認定資格には四つのレベルが存在します。CCNAはアソシエイトレベルに位置付けられており,多くのネットワークエンジニアの登竜門となっている認定資格になっています。

レベル説明該当資格
エントリネットワークに関心のある人に最適CCST サイバーセキュリティ
CCST ネットワーキング
アソシエイトネットワークの専門性を身に付け始める人に最適CCNA
CyberOps Associate
DevNet Associate
プロフェッショナルネットワーク分野別に専門性を身に付ける人に最適CCNP (分野別)
CyberOps Professional
DevNet Professional
エキスパート最も権威のあるレベルCCIE (分野別)
CCDE
DevNet Expert
Cisco認定資格の区分

2020年2月末まではCCNAもCCNP同様に分野別に実施されていました。しかし,その試験体系の複雑さはネットワークエンジニアを目指す方々が認定資格取得を目指すうえで大きな障壁となっていました。Ciscoの掲げる「今後30年間で1000万人を育成し,さらに400万人を認定すること」で「ITスキルのギャップを解消し,ITにおける多様性を再構築するという固い決意」に反していたのです。そこでCiscoはCCNAの試験を統一し,明快で分かりやすい試験体系を整理し直しました。

試験範囲

CCNAの試験トップから「試験の内容」をクリックすることで試験範囲のPDFにアクセスすることができます。

形式・合格ライン・試験時間

CCNAの試験は大きく以下の二つから構成されています。

  • 複数の選択肢から単一または複数の正答を選ぶ形式
  • シミュレーション問題

特にシミュレーション問題では,実際にスイッチやルータにコンソール接続したときのターミナルを操作して指示された状態にすることができるかが問われます。具体的な試験問題のイメージはCisco公式のチュートリアルで確認してください。

Cisco公式で合格ラインは発表されていませんが,巷では正答率75%程度と言われています。スコアレポートでも各分野の正答率は記載されているものの,自分の得点が記載されている訳ではないため,問題の種類によって動的に合格ラインを調整していることが考えられます。

試験時間は120分です。試験予約時には140分との記載があるのですが,これは試験前のチュートリアル実施時間と試験後のアンケート記入時間のバッファを含めた時間になっていると考えられます。AWSの試験やIPAの試験のように一度答えた問題を後から見直すことはできませんので,一つの問題にかけられる時間を逆算しながら試験を進めていくスキルも問われます。問題数は選択問題85問+シミュレーション問題3問ですので,単純計算で1問あたり1分程度の時間がかけられます。しかし,選択問題の中には10秒程度で答えられる簡単な問題からルーティングテーブルから適切な転送先を複数選択するような複雑な問題まで含まれますので,試験中に右上に表示される残り時間を常に意識しながら1問あたりにかけられる時間を気にする必要があります。

巷では問題数が100問という情報もありますが,これはシミュレーション問題が廃止されていた時代の情報だと思われます。

料金

公式ページのよくある質問から「受験料はいくらですか?」をご確認ください。

対策

STEP
知識インプット

参考書・Webページ・Youtube・Udemyから自分に合ったコンテンツを選びます

STEP
Ping-t回し

Ping-tという問題演習サイトのピックアップ問題を正答率が90%を超えるまで繰り返し解きます

STEP
最終チェック

Ping-tの最後の一周で間違えた問題のポイントをまとめて直前に暗記します

知識インプット

自分にあったインプットコンテンツとしては以下が挙げられます。

  • 参考書(シスコ技術者認定教科書)
  • Youtube(まさるの勉強部屋)
  • Udemy(ウズウズカレッジ)
  • Webページ(CCNAイージス)

それぞれのコンテンツについて管理人のおすすめを紹介します。

参考書

以下がおすすめです。必要な知識を体形立てて網羅的に身につけることができます。

Youtube

まさるの勉強部屋さんのCCNA再生リストがおすすめです。各動画の前半は初学者にも分かりやすい語り口で該当分野の解説をして後半でパケットトレーサの実演を行うという構成になっており,CCNA対策で陥りがちな「机上の空論状態」から脱することができます。管理人は特にNATとACLまわりの実演でお世話になりました。

Udemy

ウズウズカレッジさんの『基礎からわかる!CCNA最短合格講義』著者による合絶講座がおすすめです。スライドを用いた講義形式の解説動画なのですが,説明が端的で分かりやすいです。管理人は特にEIGRPまわりの解説でお世話になりました。

Webページ

CCNAイージスがおすすめです。管理人がネットワークスペシャリスト対策でもお世話になったサイトです。無料でこのクオリティの解説を読めるのは驚きます。頻繁に内容を更新しているのも信頼がおけます。

CCNAイージスとは,CCNAのWeb教科書のことです。CCNAイージスにはCCNA(200-301)の試験範囲の全ての技術解説があり,CCNAイージスだけでCCNAに合格するためのネットワーク技術力が身につけることができます。

https://www.infraexpert.com/info/ccnaz7.html

Ping-tまわし

CCNAの問題演習としてはPing-tが定番です。IPA試験対策でいう「基本情報ドットコム」さんや「データベーススペシャリストドットコム」さんのようなWebサイトです。1500問程度の十分な問題演習を行うことができるだけでなく,試験対策として900問程度の重要な問題に絞り込むことも可能ですし,間違えた問題のみを繰り返し解くことも可能です。選択問題だけでなく「コマ問」や「簡易シミュレータ」 というシミュレーション問題を見据えたコンテンツも用意されています。正直コマ問は本物のターミナルの操作感とはかけ離れているのですが,それでもコマンドの練習問題を行える仕組みというのは非常に重宝します。全てのコンテンツを利用するには有料会員登録が必要なのですが,無料会員の内容でCCNAに合格するのは不可能です。価格も十分リーズナブルですので,有料会員登録をした上で契約期間中にCCNAを取るという締切駆動で取り組んでみるとよいでしょう。

  • 最強WEB問題集(ピックアップ問題のみでOK)
  • コマ問

を正答率が90%を超えるまで繰り返し解きましょう。簡易シミュレータには正答率という概念が存在しないため,少なくとも5回程度は繰り返し挑戦してAnswerを一切見なくても全て解き切れるようにしましょう。

最終チェック

最強WEB問題集のピックアップ問題,コマ問の正答率が90%を超え,シミュレーション問題もAnswerを一切見なくても全て解き切れるようになった後に,もう一度だけPing-tのピックアップ問題を一周しましょう。そこで間違えた問題のポイントをまとめて,直前にひたすら暗記します。管理人は以下のようなポイント集を作って直前に見直していました。

管理人は間違いだけでなく理解したいポイントも併せて言語化するようにしています。まとめる媒体としてはNotionでも紙のノートでも何でも構いません。

おわりに

CCNAではネットワークの知識が幅広く要求されるというより,大部分の問題はOSI参照モデルでいうL2とL3から出題される印象です。ネットワークエンジニア初学者として必要最低限の知識を手っ取り早く身につけることができました。特に意識して対策するとよい分野は

  • VLANの仕組みと設定
  • EtherChannelの設定
  • IPv4とIPv6の差異とその設定
  • スタティックルートの設定
  • OSPFの仕組みと設定

あたりです。ネットワークスペシャリスト同様,STPよりもEtherChannel(LAG)が問われやすいという傾向は顕著なのかもしれません。シミュレーション問題で利用するコマンドに規則性がなく,例えばinterfaceとinterfacesのどちらを使うのかneighborとneighborsのどちらを使うのか等を暗記するのは困難を極めました。管理人は当日補完が効くと見越してコマンドの細かな暗記は諦めました。個人的に勉強になったのは

  • EIGRPの仕組み
  • 代表的なルーティングプロトコルとロンゲストマッチの共存
  • ACLとNATの実装

です。EIGRP自体の詳細な内容は出題範囲には含まれていないのですが,概要程度は押さえておくとよいでしょう。皆さんがCCNAの勉強を通して得られた知識を活かして活躍できることを祈っています。

シェアはこちらからお願いします!

コメント

コメントする

※ Please enter your comments in Japanese to distinguish from spam.

目次