【数検1級対策】線形写像の判定方法

本記事では,数学検定1級で頻出のトピックについてまとめていきます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

線形写像の判定方法

V,WR上のベクトル空間とし,写像f: VW

(1)f(ka+lb)=kf(a)+lf(b)(a,bV, k,lR)

を満たすとき,fVからWへの線形写像という。

実ベクトル空間の部分空間と同様の感覚で判定できます。

具体例とその解答

例1

(2)f: R2R3,(x1x2)(x1+x2x1x20)

x=(x1,x2)Ty=(y1,y2)Tとおくと,

(3)f(kx+ly)=(k(x1+x2)+l(y1+y2)(kx1+lx2)(ky1+ky2)0)

が得られますが,一方で

(4)kf(x)+lf(y)=(k(x1+x2)+l(y1+y2)kx1x2+ly1y20)

が得られ,f(kx+ly)kf(x)+lf(y)となるためfは線形写像ではありません。

例2

(5)f: R3R2,(x1x2x3)(2x1+x2+x3x2x3)

x=(x1,x2,x3)Ty=(y1,y2,y3)Tとおくと,

(6)f(kx+ly)=(k(2x1+x2+x3)+l(2y1+y2+y3)k(x2x3)+l(y2y3))(7)=k(2x1+x2+x3x2x3)+l(2y1+y2+y3y2y3)(8)=kf(a)+lf(b)

となるため,fは線形写像です。

例3

(9)f: R3R1,xax

ただし,a0でないR3の元である。

内積の線形性より,

(10)f(kx+ly)=a(kx+ly)=kax+lay=kf(a)+lf(b)

となるため,fは線形写像です。

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