【徹底解説】中国剰余定理とは

本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

中国剰余定理

自然数n1,,nkがどの二つも互いに素であるとする。任意の整数a1,,akに対して,連立一次合同式

(1){xa1(modn1)xa2(modn2)xak(modnk)

を満たす解x0は,N=n1nkを法としてただ一つ存在し,

(2)x0=i=1kNiuiai

と表される。ただし,各iについてNi=N/niおよび

(3)Niui1(modni)

である。

証明

x0の存在

n1,,nkがどの二つも互いに素であること,およびNi=N/niであることから,互いに素な整数の積とそれらで割り切れる整数の関係よりgcd(Ni,ni)=1となります。すると,一次合同式の解の存在より式(3)を満たすuiはただ一つ存在します。このとき,x0niを法として

(4)x0=(N1u1)a1++(Niui)ai++(Nkuk)ak(5)0a1++1ai++0akai(modni)

となります。したがって,式(1)の解の一つとしてx0が得られました。

x0の一意性

式(1)の解としてx1を取ると,

(6)x1aix0(modni)

となるため,

(7)x1x00(modni)

が得られます。これはx1x0n1,,nkのいずれでも割り切れることを意味しており,互いに素な整数の積とそれらで割り切れる整数の関係よりx1x0N=n1nkで割り切れます。したがって,x0x1Nを法として合同となるため,式(1)の解はNを法としてただ一つであることが示されました。

参考文献

本稿の執筆にあたり参考にした文献は,以下でリストアップしております。

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