【徹底解説】正則行列と自明な解

本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

目次

正則行列と自明な解

正方行列$A$が正則であることと,次の条件は互いに同等である。

  • 一次方程式$A\vx =0$は自明な解しかもたない

併せて正則と六つの同等な条件もおさえておきましょう。

証明

連立一次方程式

\begin{align}
A\vx &= 0 \label{連立}
\end{align}

を考えます。$A$が正則であるならば逆行列$A^{-1}$が存在しますので,式($\ref{連立}$)の左から$A^{-1}$を掛けることにより,$\vx=0$が得られます。すなわち,式($\ref{連立}$)は自明な解しかもたないことが示されました。逆に,式($\ref{連立}$)は自明な解しかもたないとき,$\vx=(x_{1},\ldots,x_{n})$,$A$の列ベクトルを$\va_{1},\ldots.\va_{n}$とおくと,

\begin{align}
\sum_{i=1}^{n}x_{i}\va_{i} &= 0
\end{align}

を満たす実数$x_{1},\ldots,x_{n}$はすべて$0$になります。すなわち,$\va_{1},\ldots,\va_{n}$は一次独立になります。ここで,行列の階数は$A$の列ベクトルのうち一次独立な列ベクトルの最大個数ですので,$\rank A=n$となります。正則と六つの同等な条件より,$\rank A=n$と行列$A$が正則であることは同等でしたので,式($\ref{連立}$)は自明な解しかもたないことと行列$A$が正則であることは同等になります。

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