本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
行列式と正則
正方行列$A$が正則であるための必要十分条件は$\det(A)\neq 0$である。
ある行列が正則かどうかを判別する際に行列式が利用できるということを表しています。
証明
$A$が正則であれば,正則の定義よりある行列$B$があって$AB=E$となります。このとき,積の行列式の性質より,
\begin{align}
\det(A)\det(B) &= \det(AB) \\[0.7em]
&= \det(E) \\[0.7em]
&= 1
\end{align}
\det(A)\det(B) &= \det(AB) \\[0.7em]
&= \det(E) \\[0.7em]
&= 1
\end{align}
が成り立ちます。すなわち,$\det(A)\neq 0$となります。逆に,$\det(A)\neq 0$のときは,余因子行列を用いた逆行列の表現より$A$には逆行列が存在するため,$A$は正則になります。
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