【徹底解説】行列積の転置

本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

目次

行列積の転置

$(l,m)$サイズの行列$A$,$(m,n)$サイズの行列$B$に対し,次が成り立つ。

\begin{align}
(AB)^{T} &= B^{T}A^{T}\label{主題}
\end{align}

行列の要素は複素数でも成り立ちます。

証明

$A=(a_{ij})$のサイズは$(l,m)$,$B=(b_{ij})$のサイズは$(m,n)$であることから,積$AB$は定義され,サイズは$(l,n)$となります。同様に,積$B^{T}A^{T}$も定義され,サイズは$(n,l)$となります。行列積の定義から,$B^{T}A^{T}$の$(i,k)$成分は$\sum_{j=1}^{m}b_{ij}a_{kj}$となります。これは,$AB$の$(k,i)$成分,すなわち$(AB)^{T}$の$(i,k)$成分に他なりませんので,式($\ref{主題}$)が示されました。

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