本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
行列式の性質<行列式の逆行列>
$n$次正方行列$A$の行列式$\det (A)$は以下の性質をもつ。
- $A$が正則ならば$\det(A^{-1})=\det(A)^{-1}$
行列式の性質一覧はこちらのページより確認できます。
証明
$AA^{-1}=I$に対し積の行列式を適用すると,
\begin{align}
\det(AA^{-1}) = \det(A)\det(A^{-1}) = \det(I) = 1\label{積の行列式}
\end{align}
\det(AA^{-1}) = \det(A)\det(A^{-1}) = \det(I) = 1\label{積の行列式}
\end{align}
が成り立ちます。ただし,$I$は単位行列とします。$\det(A)=0$と仮定すると$A$が正則であることに矛盾しますので,$\det(A)\neq 0$となります。したがって,式($\ref{積の行列式}$)を$\det(A)$で割ると,
\begin{align}
\det(A^{-1}) = \frac{1}{\det(A)} = \det(A)^{-1}
\end{align}
\det(A^{-1}) = \frac{1}{\det(A)} = \det(A)^{-1}
\end{align}
が成り立ちます。
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