【徹底解説】グラム行列の定義

本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

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グラム行列

$n$次正方行列$A\in M_{n}(\mK)$に対して,$A^{\ast}A$を$A$のグラム行列という。ただし,$\mK$は複素数空間$\mC$または実数空間$\mR$,$M_{n}(\mK)$は$\mK$上の$n$次正方行列全体の集合,$A^{\ast}$は$A$の随伴行列を表す。すなわち,$A=(\va_{1},\ldots,\va_{n})$とすると,$A$のグラム行列は

\begin{align}
\begin{bmatrix}
(\va_{1}|\va_{1})&\ldots&(\va_{1}|\va_{n})\\
\vdots&\ddots&\vdots\\
(\va_{n}|\va_{1})&\ldots&(\va_{n}|\va_{n})
\end{bmatrix}
\end{align}

と表される。ただし,$(\cdot|\cdot)$は標準内積を表す。このことから,$n$次内積空間の元$\vx_{1},\ldots,\vx_{n}$に対し,$(\vx_{i}|\vx_{j})$を$(i,j)$成分にもつ行列をグラム行列という。

グラム行列は行列の正定値・半正定値に関わりがあります。

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