本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
行列の固有値と固有ベクトル
$A\in M_{n}(\mK)$とする。ただし,$\mK$は実数空間$\mR$または複素数空間$\mC$を表し,$M_{n}(\mK)$は$\mK$の元を成分とする$n$次元正方行列の集合を表す。$0$でない縦ベクトル$\vx\in \mK^{n}$と$\mK$の元$\alpha$に対して
\begin{align}
A\vx &= \alpha \vx
\end{align}
A\vx &= \alpha \vx
\end{align}
が成り立つとき,$\alpha$を$A$の$\mK$における固有値,$\vx$を固有値$\alpha$に対する$A$の$\mK$における固有ベクトルという。
変換$F$によって向きが変わらないようなベクトルが固有ベクトルです。固有値と固有ベクトルは$\mR$上で考えるか$\mC$上で考えるかによって値が変わってきますので,正確には$\mC$における固有値,$\mC$における固有ベクトルなどと書かれます。
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