【徹底解説】京大情報学研究科各専攻の倍率変化

本記事では,情報学研究科の各専攻における倍率遷移をお伝えします。具体的には,知能情報学・社会情報学・先端数理科学・数理工学・システム科学・通信情報システム専攻・データ科学専攻の倍率が含まれます。

目次

はじめに

凡例をクリックすればその分野を消して表示できます。また,データ科学コースは2023年度以降のデータしかないため,グラフ上は視認が難しくなっています。

横軸は入試が行われた年,縦軸は倍率を表します。横軸は入学年度を表すものではありませんので,ご注意ください。全体として,どの専攻も基本的には倍率は1倍を超えています。大学院受験といえば「受ければ受かる」といったような研究室も多い中,このような傾向が見られる研究科というのは珍しいのではないかと思います。特に,2015年以降の知能情報学専攻の伸びが目立ちます。これは,知能情報学専攻には機械学習をベースとした研究室が多いため,近年のAIブームに乗っかった受験生がたくさん集まった結果が現れているものと思われます。一方,2015年〜2020年の知能情報学専攻を除いて,倍率が右肩上がりではありません。情報系がホットという状況ではありますが,必ずしも倍率が上昇しているという訳ではなさそうです。2023年度の知能情報学の倍率は,異常なほどに高くなっています。

各専攻ごと

知能情報学

知能情報学専攻は,情報学研究科の中でも最も人気で最も定員の多い専攻です。情報学研究科の顔ともいえる専攻だと思います。2015年からの倍率の伸び方には目を見張るものがあり,内部生・外部生関係なく戦争状態といえます。知能情報学専攻の説明会では,用意していた資料が無くなってしまうこともあるようです。これは,京大情報学科以外からも当専攻を狙われる方が多いためだと考えられます。

社会情報学

社会情報学専攻は,知能情報学専攻に劣らず最近人気が出始めている分野です。「機械学習をゴリゴリにやりたい訳ではない。だけど,今ホットな技術要素を利用して様々な応用を考えていきたい」という方が目指されるという印象があります。もちろん,機械学習をゴリゴリやっている研究室もあると思いますし,非基礎研究だけでなく基礎研究を行っているところもあるでしょう。

先端数理科学

先端数理科学専攻は,倍率の変化が激しい専攻の一つと言えます。ほぼ1倍程度の年もあれば,2倍を超える年もあります。これは,募集人数が少ないことにより倍率の分散が大きくなってしまうからでしょう。先端数理科学専攻は入試の時期が少しズレているという情報学研究科の中でも少し異色な専攻です。

数理工学

数理工学専攻も,先端数理科学専攻ほどではありませんが,募集人数が少ない専攻の一つです。そのため,倍率が変動しやすい傾向にありますが,ここ数年は落ち着いている印象も受けます。倍率変動の範囲は1倍〜2倍であるため,倍率は比較的に低水準で変動している専攻とも捉えられます。

システム科学

システム科学専攻も,社会情報学専攻と同じく最近人気が出始めている専攻です。近年,競技プログラミングの人気に火がついたことから,プログラミング言語論やアルゴリズムに関する研究室が所属するシステム科学専攻に志望者が流れているのでしょう。

通信情報システム

通信情報システム専攻は,他の専攻と比べて倍率が比較的低水準で推移している専攻の一つです。特徴としては,京大情報学科からだけでなく,電気電子工学科からも内部生が流入してくることが多いという点です。そのため,京大の内部事情によって倍率が変化しやすい専攻とも捉えられます。募集人数が多いのも特徴的です。

データ科学

データ科学専攻は,2023年度の入試から新たに設立されました。知能情報学専攻とのお見合い状態に陥ったのか,初年度の倍率は2倍を切りました。知能情報学専攻の異常な人気と比べると,穴場と言っても過言ではない状態だと思います。来年度は,もう少し倍率が上昇するのではないでしょうか。

募集人数

各専攻の募集人数は基本的に一定です。ここ10年は,先端数理科学専攻・数理工学専攻の募集人数が少なく,通信情報システム専攻が多いという傾向が分かります。

応募人数

募集人数は右肩上がりの知能情報学専攻が目立ちます。先端数理科学専攻や数理工学専攻は安定しているように見えますが,上でお伝えしたように,募集人数が少ないために倍率の変化も大きく変動しやすいです。また,2015年以降の全体傾向をみると,知能情報学専攻に志望者が流れた訳ではなく,外部から大勢の方が集まってきていることが予想されます。

おわりに

当サイトでは,情報学研究科を目指される方の学習サポートを行っております。特に知能情報学専攻を目指される方に関しては手厚いサポートが可能ですので,ぜひお声掛けください。

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