本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
順序の公理
ある集合$K$が順序の公理をみたすとは,$K$の任意の元$a,b,c$に対し,関係$a\leq b$がつぎをみたすことをいう。
- 反射律:$a\leq a$
- 反対称律:$a\leq b,b\leq a$ならば$a=b$
- 推移律:$a\leq b,b\leq c$ならば$a\leq c$
- 全順序性:$a\leq b$または$b\leq a$の少なくとも一方が成り立つ
- $a\leq b$ならば$a+c\leq b+c$
- $a\geq 0,b\geq 0$ならば$ab\geq 0$
多くの解析学の入門書では,これらを実数全体の集合$\mR$の性質として認める立場をとります。
コメント
コメント一覧 (4件)
「半対称律」は「反対称律」ではないでしょうか?
2.に関して、逆に、a=bならばa≦bかつb≦aと言えるのでしょうか?
いえやす 様
ご指摘誠にありがとうございます。
>「半対称律」は「反対称律」ではないでしょうか?
仰る通りです。本文を修正致しましたmm
>a=bならばa≦bかつb≦aと言えるのでしょうか?
真だと思います。なぜなら,順序の公理を満たす関係$\leq$に対し,$a=b$ならば$a\leq a=b$であり,かつ$a=b$ならば$b\leq b=a$であるからです。私の理解が間違えていましたら,ご指摘いただけますと幸いです。
6は「a≧0, b≧0ならばab≧0」ではないでしょうか。
Dee様
ご指摘誠にありがとうございます。仰る通りtypoでしたので、本文を修正しました。