本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
四則演算の公理
ある集合$K$が四則演算の公理をみたすとは,$K$の任意の元$a,b$に対し,その和$a+b$と積$ab$と呼ばれる$K$の元が定義され,次をみたすことをいう。
- 和の交換律:$a+b=b+a$
- 和の結合律:$(a+b)+c=a+(b+c)$
- 零元の存在:任意の$a\in K$に対し,$a+0=a$となる$0\in K$が存在する
- 和の逆元の存在:任意の$a\in K$に対し,$a+(-a)=0$となる$-a\in K$が存在する
- 積の交換律:$ab=ba$
- 積の結合律:$(ab)c=a(bc)$
- 分配律:$a(b+c)=ab+ac,\quad (a+b)c=ac+bc$
- 単位元の存在:任意の$a\in K$に対し,$a1=a$となる$1\in K$が存在する
- 積の逆元の存在:$0$でない任意の$a\in K$に対し,$aa^{-1}=1$となる$a^{-1}\in K$が存在する
- 零元以外の元の存在:$1\neq 0$
多くの解析学の入門書では,これらを実数全体の集合$\mR$の性質として認める立場をとります。
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