【徹底解説】ライプニッツの公式

本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

目次

ライプニッツの公式

関数f,gn階微分可能でf(0)=fg(0)=gとする。このとき,次が成り立つ。

(1)(fg)(n)=k=0nnCkf(k)g(nk)

本質的に二項定理と通じる公式です。

証明

数学的帰納法を利用します。n=1のとき,

(2)(fg)(1)=f(1)g(0)+f(0)g(1)=k=011Ckf(k)g(1k)

より,式(1)は成り立ちます。n=lのとき,式(1)が成り立つと仮定します。すなわち,

(3)(fg)(l)=k=0llCkf(k)g(lk)

が成り立つと仮定します。両辺を微分すると,

(4)(fg)(l+1)=k=0llCk(f(k+1)g(lk)+f(k)g(lk+1))(5)=k=0llCkf(k+1)g(lk)+k=0llCkf(k)g(lk+1)(6)=k=1l+1lCk1f(k)g(lk+1)+k=0llCkf(k)g(lk+1)(7)=f(0)g(l+1)+k=1l(lCk1+lCk)f(k)g(lk+1)+f(l+1)g(0)(8)=f(0)g(l+1)+k=1ll+1Ckf(k)g(lk+1)+f(l+1)g(0)(9)=k=0l+1l+1Ckf(k)g(lk+1)

が得られます。したがって,n=l+1のときも式(1)が成り立つことが示されました。ただし,二項係数に関する以下の関係を利用しました。

(10)lCk1+lCk=l!(k1)!(lk+1)!+l!k!(lk)!(11)=l!(k1)!(lk)!(1lk+1+1k)(12)=l!(k1)!(lk)!l+1k(lk+1)(13)=(l+1)!k!(l+1k)!(14)=l+1Ck

以上より,任意の自然数nに対して式(1)が成り立ちます。

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