【徹底解説】京大情報学研究科各コースの倍率変化

本記事では,情報学研究科の各コースにおける倍率遷移をお伝えします。具体的には,知能情報学・社会情報学・先端数理科学・数理工学・システム科学・通信情報システム・データ科学の倍率が含まれます。

目次

2024年度の倍率

2024年度の出願状況が7/4(木)に公開されました。

コース倍率
知能情報学コース4.2
社会情報学コース2.1
先端数理科学コース2.8
数理工学コース2.9
システム科学コース3.0
通信情報システムコース1.5
データ科学コース3.6
京大情報学研究科2024年度の倍率

はじめに

凡例をクリックすればその分野を消して表示できます。また,データ科学コースは2023年度以降のデータしかないため,グラフ上は視認が難しくなっています。

横軸は入試が行われた年,縦軸は倍率を表します。横軸は入学年度を表すものではないためご注意ください。全体として,どのコースも基本的には倍率は1倍を超えています。大学院受験といえば「受ければ受かる」といったような研究室も多い中,このような傾向が見られる研究科というのは珍しいです。特に,2015年以降の知能情報学コースおよび2024年度のデータ科学の伸びが目立ちます。知能情報学コースやデータ科学コースには機械学習をベースとした研究室が多いため,近年のAIブームに乗っかった受験生がたくさん集まった結果が現れているものと思われます。一方,2015年〜2020年の知能情報学コースを除いて,倍率が右肩上がりではありません。情報系がホットという状況ではありますが,必ずしも倍率が上昇しているという訳ではなさそうです。

各コースごと

知能情報学コース

知能情報学コースは,情報学研究科の中でも最も人気のコースです。情報学研究科の顔ともいえます。2015年からの倍率の伸び方には目を見張るものがあり,内部生・外部生関係なく戦争状態といえます。知能情報学コースの説明会では用意していた資料が無くなってしまうこともあるようです。これは,京大情報学科以外からも当コースを狙われる方が多いためだと考えられます。2023年度の知能情報学の倍率は異常なほどに高くなっていますが,データ科学コースへの流入の影響からか,2024年度の倍率は前年度よりも低下しました。とはいえ,全コースの中で最も倍率が高いコースであることには変わりありません。

社会情報学コース

社会情報学コースは,知能情報学コースに劣らず最近人気が出始めている分野です。「機械学習をゴリゴリにやりたい訳ではない。だけど,今ホットな技術要素を利用して様々な応用を考えていきたい」という方が目指されるという印象があります。もちろん,機械学習をゴリゴリやっている研究室もあると思いますし,非基礎研究だけでなく基礎研究を行っているところもあるでしょう。

先端数理科学コース

先端数理科学コースは,倍率の変化が激しいコースの一つと言えます。ほぼ1倍程度の年もあれば,2倍を超える年もあります。これは,募集人数が少ないことにより倍率の分散が大きくなってしまうからでしょう。先端数理科学コースは入試の時期が少しズレているという情報学研究科の中でも少し異色なコースです。

数理工学コース

数理工学コースも,先端数理科学コースほどではありませんが,募集人数が少ないコースの一つです。そのため倍率が変動しやすい傾向にあり,2022年度までは落ち着いている印象がありました。しかし,2023年度以降は倍率が上昇傾向にあり人気の高まりが伺えます。

システム科学コース

システム科学コースも,社会情報学コースや数理工学コースと同じく最近人気が出始めているコースです。近年,競技プログラミングの人気に火がついたことから,プログラミング言語論やアルゴリズムに関する研究室が所属するシステム科学コースに志望者が流れているのでしょう。

通信情報システムコース

通信情報システムコースは,他のコースと比べて倍率が比較的低水準で推移しているコースの一つです。特徴としては,京大情報学科からだけでなく,電気電子工学科からも内部生が流入してくることが多いという点です。そのため,京大の内部事情によって倍率が変化しやすいコースとも捉えられます。募集人数が多いのも特徴的です。

データ科学コース

データ科学コースは,2023年度の入試から新たに設立されました。初年度は知能情報学コースとのお見合い状態に陥ったのか,倍率は2倍を切りました。知能情報学コースの異常な人気と比べると当時は穴場と言われていましたが,2024年度は見事倍率が急上昇しました。知能情報の倍率が下がったことからも推測される通り,元々知能情報志望だった学生がデータ科学に流れた結果だと考えられます。

応募人数

各コースの募集人数は基本的に一定です。ここ10年は,先端数理科学コース・数理工学コースの募集人数が少なく,通信情報システムコースが多いという傾向が分かります。

募集人数

募集人数は右肩上がりの知能情報学コースが目立ちます。先端数理科学コースや数理工学コースは過去安定しているように見えますが,上でお伝えしたように,募集人数が少ないために倍率の変化も大きく変動しやすいです。

おわりに

当サイトでは,情報学研究科を目指される方の学習サポートを行っております。特に知能情報学コースおよびデータ科学コースを目指される方に関しては手厚いサポートが可能ですので,ぜひお声掛けください。

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