本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
固有値の存在
$V$を複素数区間$\mC$上の$n$次元ベクトル空間とすれば,$V$の任意の線型変換$F$はつねに$n$個の固有値をもつ。したがって,複素数または実数を成分とする任意の正方行列$A$は$\mC$の中では必ず$n$個の固有値をもつ。
固有値は複素数空間内では必ずベクトル空間の次元数と同じだけ見つかります。一方で,実数空間内では必ずしもベクトル空間の次元数と同じだけ見つかるとは限らないため注意が必要です。
証明
固有値は固有多項式の解と同等でしたので,代数学の基本定理より本定理の主張が証明できます。
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