【徹底解説】行列式写像の定義

本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

目次

行列式写像

次の三つの条件を満たすような写像det:Mn(K)Kを行列式写像という。ただし,Kは実数空間Rまたは複素数空間Cを表し,Mn(K)Kの元を成分とするn次元正方行列の集合を表す。

  1. detは列についてn重線型である
  2. detは列について交代的である
  3. n次元単位行列の像は1となる

n重線型と交代的の意味は下でお伝えします。

補足

detが列についてn重線型というのは,detが行列An個の列のどれについても線型であることを指します。すなわち,1inを満たす任意の整数iKnの任意の元a1,,ai,ai,,anに対し,

(1)f(a1,,ai+ai,,an)=f(a1,,ai,,an)+f(a1,,ai,,an)(2)f(a1,,cai,,an)=cf(a1,,ai,,an)

が成り立つことを指します。detが列について交代的であるというのは,1in1jnかつijを満たすあるi,jに対して,行列Aの列のうちにai=ajとなるi,jが存在するならば,det(A)=0となることを指します。

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