【最短最速】一問一答直前対策(法令上の制限)

本稿では,法律および不動産については門外漢である管理人が,宅地建物取引士資格試験に最速最短で合格するための知識を整理してまとめていきます。巷に溢れる語呂合わせについても,本当に必要と考えられる内容に絞ってまとめていきます。

管理人は法学の素人であるため,ロジックの正確性・正当性は無視します。また,暗記を最小限に抑えるため「以上・以下」「未満・より」といった端点の場合分けは無視します。

目次

管理人の引っかかりポイント

  • 中核市には区域区分を必ず定める必要はない。「中核市」という言葉に騙されないように。
  • 特別用途地区は用途地域外では定められない。特定用途制限地域は定められる。
  • 高度地区では高さを定めるのであって容積率は関係ない。騙されないように。
  • 高度利用地区は「容積率の最高/最低」「建蔽率の最高」「建築面積の最低」「壁面の位置」を定める。
  • 市街地開発事業は用途地区内であっても準都市計画区域であれば定めることはできない。
  • 用途地域外でも地区計画は定められる。
  • 都市計画事業の認可告示後に土地建物を有償で譲り渡す場合は「事前に」「施工主に」「届出」が必要となる。他は「知事等の」「許可」が必要となるため違いに注意。
  • 地区計画における面積・目標・方針は「定めるように務める」ことになっている。面積が含まれる点に注意。
  • 地区整備計画で区域区分は決定できない。
  • 市街化調整区域と準都市計画区域の定義の違いに注意。前者は抑制。後者は放置してはいけない。逆にしない。
  • 三大都市圏の一定の市街化区域では500㎡以上の開発行為には許可が必要になる。通常,市街化区域は1000㎡が基準であるため注意する。
  • 知事の許可がなくても,用途地域が定められていれば工事完了広告後に予定建築物以外の建築物を新築できる。
  • 各スペースを1000㎡以内としなければならないのは,耐火・準耐火建築物以外の場合。
  • 外壁の後退距離が1.5mまたは1mとなるのは一住・二住・田園まで。
  • 10/8が10/10に緩和されるのは防火地域内の耐火建築物。防火地域内の準耐火建築物は+1/10されず,準防火地域内の耐火/準耐火建築物は+1/10だけされる。
  • 幅4m未満の道路は特定行政庁からの指定が必要。幅1.8m未満の場合はさらに建築審査会の同意が必要。
  • 「地域内」と「地域外」の読み間違いには本当に気を付ける。
  • 「開発行為」には特定工作物の建設のために行う土地の造成等も含まれる。
  • 農地法の3条は農業委員会,4条と5条は知事等が許可する。
  • 農地を農業用施設に転用する場合,200㎡未満のときは農地法「4条」の許可は不要となる。
  • 農業者の住宅なら許可不要となるのは開発許可。農地法の許可ではない。
  • 農地の使用貸借では引き渡しは対抗要件にならない
  • 仮換地を指定するとき,個人の場合は宅地の所有者等,土地区画整理組合の場合は総会,区画整理会社の場合は所有者と借地権者の2/3以上の「同意」が必要で,国土交通大臣・都道府県・市町村の場合は土地区画整理審議会の「意見を聴く」必要がある。換地計画については知事等の許可が必要。
  • 換地処分は「広告」ではなく「通知」
  • 「保留地は施行者が取得する」は例外ナシ。
  • 所有権者と借地権者の両方が土地区画整理組合の組合員となる。
  • 参加組合員のイメージは都市再生機構と地方住宅供給公社。逆にこれら以外は組合員となれない。

都市計画法

国土の分類

用途地域とは何か

都市計画を実現するために,主に市街化区域において地域の用途を明確にする区分けのこと。

都市施設を定められる区域は何か

都市施設は

  1. 道路・公園・下水道
  2. 義務教育施設
  3. その他(社会福祉施設など)

に分けられ,次のような規制がある。

大分類小分類都市施設
都市計画区域市街化区域(住居系)1.と2.は必ず定め,3.も定められる
市街化区域(住居系以外)1.は必ず定め,2.と3.も定められる
市街化調整区域1.は必ず定め,2.と3.も定められる
非線引区域1.〜3.のいずれも定めることができる
準都市計画区域1.〜3.のいずれも定めることができる
両区域外1.〜3.のいずれも定めることができる
都市施設を定められる区域
田園住居地域内で建物を建築するには誰かしらの許可が必要か

市町村長の許可が必要。ただし,非常災害や事業施行など例外アリ。

都市計画の決定

都市計画区域マスタープランと市町村マスタープランの違いを説明せよ
  • 都市計画区域マスタープラン:通常の都市計画の決定手続きに従う
  • 市町村マスタープラン:勝手に定めて知事に通知すればよい

市町村が主導する都市計画では通常知事との協議が必要となります。

都市計画事業の実施フローを説明せよ
STEP
都市計画の告示

建物を建築するには知事の許可が必要。ただし,非常災害や事業施行など例外アリ。

STEP
都市計画の認可・承認の告示

事業の障害となる行為には知事の許可が必要。ただし,例外ナシ。非常災害でも知事の許可が必要。

「知事」は市の区域内では「市長」と読み替えてください。

地区計画

地区計画とは何か

小さな街作り計画

地区計画におけるmustとwantを説明せよ
  • must:地区整備計画
  • want:目標・方針・面積
地区計画を定められる区域は何か
大分類小分類用途地域
都市計画区域市街化区域○ 用途地域が定められている場合
△ 用途地域が定められていない場合は一定の条件を満たせばOK
市街化調整区域○ 用途地域が定められている場合
△ 用途地域が定められていない場合は一定の条件を満たせばOK
非線引区域○ 用途地域が定められている場合
△ 用途地域が定められていない場合は一定の条件を満たせばOK
準都市計画区域× 定めることはできない
両区域外× 定めることはできない
地区計画を定められる区域
地区整備計画が定められている区域内で建物を建築する場合,何かアクションが必要か

着手の30日前までに市町村長に届け出する必要がある。

市町村長は内容が不適切な場合は「やめなさい」と勧告できますが,強制力はない点に注意です。

開発計画

開発整備促進区とは何か

地区計画においてショッピングモール等の特定大規模建築物を建築できる区域のこと

開発整備促進区を定められる地域区分は何か
  • 第二種住居専用地域
  • 準住居地域
  • 工業地域
  • 用途地域が定められていない地域(市街化調整区域を除く)

ショッピングモールの必要性という観点でおさえてしまいます。住居系では第二種住居専用地域以降,商業系は不要,工業系は間をとって工業地域,と覚えましょう。用途地域が定められていない区域にもショッピングモールは必要です。

開発許可(区域関係ナシ)が必要となるケースを述べよ
  • 通常の建築物
  • 環境悪化をもたらす可能性のある工作物
  • ゴルフコース
  • 1ha(10000㎡)以上のスポーツ・レジャー施設

ゴルフコースは規模不問であること,青空駐車場は上記に含まれないことに注意してください。

開発許可(区域関係ナシ)が不要となるケースを述べよ
大分類小分類ミニ開発農林漁業用世のための施設
都市計画区域市街化区域〜1000㎡〜1000㎡全て
市街化調整区域〜3000㎡全て全て
非線引区域〜3000㎡全て全て
準都市計画区域-(必ず必要)全て全て
両区域外〜1ha(10000㎡)全て全て
開発許可が不要となるケース

「セミ(1000㎡未満)の耳(3000㎡未満)は意味(1ha未満)ない」と覚えましょう。なお,農林漁業用には農林業者の住宅,世のための施設は図書館・非常災害の措置などが含まれます。また,整備法に規定する既成市街地では500㎡以上であれば許可必要となります。

二つ以上の区域にまたがった場合の開発許可の要・不要はどのように定めればよいか

合計面積がどちらかの基準に引っかかった場合は許可が必要となる

開発許可は口頭でOKか

NG。せっかく上のように細かな基準を定めているのに口頭を許してしまうと本末転倒。カッチリやる。

開発計画の変更時に許可 or 届け出のどちらが必要か判断する軸を説明せよ

常識的に考えればOK。

  • 通常の変更や立場の譲渡:許可が必要
  • 軽微な変更:届け出で十分
  • 廃止・相続・合併による変更:もはや手続き不要
公共施設(=道路)の開発許可について,独自の理解を述べよ

委託業務における著作権的なイメージ。道路を作る前は市町村との協議と同意が必要。道路を作った後は所有権を市町村に移して管理を任せる。業者は作るだけ作って著作権は帰属しないイメージ。

市街化調整区域・開発区域の二軸で建築の制限を整理せよ
市街化調整区域外市街化調整区域内
開発区域内原則×原則×(予定建築物は当然○)
開発区域外原則×(知事が認めた場合や農林漁業・世のための施設は○)
市街化調整区域と建築の制限

建築基準法

防火地域・準防火地域

防火地域における階数と延面積による建築物の制限を説明せよ
〜100㎡100㎡〜
3階〜耐火耐火
〜2階準耐火 or 耐火耐火
防火地域における階数と延面積による建築物の制限

「耐火」は耐火建築物のことを指し,「準耐火」は準耐火建築物のことを指します。左下にいくほど制限が緩くなると理解しましょう。

準防火地域における階数と延面積による建築物の制限を説明せよ
〜500㎡500㎡〜1500㎡1500㎡〜
4階〜耐火耐火耐火
〜3階準耐火 or 耐火準耐火 or 耐火耐火
〜2階適合 or 準耐火 or 耐火準耐火 or 耐火耐火
準防火地域における階数と延面積による建築物の制限

「耐火」は耐火建築物のこと,「準耐火」は準耐火建築物のこと,「適合」は一定の技術に適合した建築物のことを指します。左下にいくほど制限が緩くなると理解しましょう。

防火地域・準防火地域における規制を説明せよ
防火地域準防火地域
看板(3m〜)の不燃性○ 必要-
塀(2m〜)の延焼防止構造○ 必要△ 木造のみ必要
屋根の技術適合○ 必要○ 必要
耐火外壁の隣地境界○ 接してよい○ 接してよい
防火地域・準防火地域における規制

建蔽率

建蔽率を定める目的は何か

火災の延焼防止

建蔽率まわりで覚えるべき数値の覚え方を説明せよ(具体の値は不要)
  • 建蔽率自体は地域区分ごとに規定された数値から都市計画で具体的に指定される
  • (準)防災地域にある(準)耐火建築物では建蔽率が緩和される
  • 特定行政庁が指定する角地では建蔽率が緩和される

特定行政庁による緩和は「壁面線の指定や壁面の位置制限がある場合」も挙げられますが,仮に出題されるとしても「緩和できるという事実」もしくは「緩和された数値が与えられた上での計算問題」しか出題されないと考えられるため,ここでは割愛しています。

建蔽率は用途地域以外で定められるか

定められる。特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て決める。

防火地域にある建蔽率が80%と指定された耐火建築物の建蔽率を説明せよ

緩和を受けた結果,建蔽率は無制限(100%)となる

特定行政庁が指定する角地の建蔽率を説明せよ

建蔽率が10ポイント分緩和される

地域区分の中で建蔽率に選択の余地がない区分はあるか

ある。商業地域の建蔽率のみデフォルトで80%と決められている。商業地域以外は選択式。

都市計画において敷地面積の下限を定めることはできるか

用途地域において200㎡以下であれば定められる

容積率

容積率を定める目的は何か

人の密集度を制御するため

容積率は用途地域以外で定められるか

定められる。特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て決める。

容積率の道路に関する特例を説明せよ

前面道路が狭い場合に容積率を厳しくする特例がある。具体的には,前面道路が12m未満の場合は

  • 住居系の用途地域:道幅×0.4
  • それ以外(用途地域街や区域外含む):道幅×0.6

と都市計画で定められている容積率を比較して小さい方が採用される。

容積率の地下に関する特例を説明せよ

地下の居住スペースは延べ面積の1/3までノーカウントになる

特例容積率適用地区とは何か

同一の容積率の土地同士で過不足している容積率をバランスさせる仕組み。適用するには細かな条件をクリアする必要があるが,覚える必要はないだろう。もし細かな条件が出題された場合は捨て問題である。

高さ制限

建物自体の高さに制限がある用途地域とその数値を述べよ

第一種・第二種低層住居専用地域と田園住居地域の建物は10m or 12mのいずれかを都市計画で選ばなければならない

この三つの地域では外壁から敷地境界線までの距離も1.0m or 1.5mから選ばなければならないです。

斜線制限の種類を説明せよ
  • 北側斜線制限:北側隣地境界線上に一定の高さをとり,そこから定められた勾配で引いた線
  • 隣地斜線制限:隣地境界線上に一定の高さをとり,そこから定められた勾配で引いた線
  • 道路斜線制限:前面道路の反対車線から定められた勾配で引いた線

いずれも周辺環境の日照や風通を確保するための制限です。

日影規制とは何か

周囲に影を落としすぎないようにするための制限で,地方公共団体が条例で指定する。

日影規制が適用されない用途地区は何か
  • 商業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域

大規模な建物が多い地域であるため道路と隣地で勘弁してあげると理解しましょう。用途地域外も適用されます。

日影規制の対象となる建築物を説明せよ
地域対象条件
第一種低層/第二種低層/田園高さ:7m〜
階数:3階〜
上記以外の用途地区高さ:10m〜
用途地区外高さ:7m or 10mから条例で指定する
日影規制の対象となる建築物

「より高い」や「以上」の端点区別は無視しています。表中の値は7+3=10で覚えてしまいましょう。

北側斜線制限が適用される用途地区は何か
  • 第一種低層
  • 第二種低層
  • 田園
  • 第一種中高層
  • 第二種中高層

用途地域外も適用されません。また,後述の日影規制が適用された場合は第一種中高層と第二種中高層は適用されません。

隣地斜線制限が適用されない用途地区は何か
  • 第一種低層
  • 第二種低層
  • 田園

高さの絶対値が指定されている地域であることを思い出しましょう。用途地域外も適用されます。

道路斜線制限が適用されない用途地区は何か

全て適用される

用途地域外も適用されます。

斜線制限と日影規制をまとめよ
一低・二低・田園一中・二中一住・二住・準住近商商業準工工業・工専
北側○※××××××
隣地×
道路
日影××
斜線制限と日影規制

※一中・二中の北側斜線制限は,日影規制の対象である場合は免除されます。

建築物が複数の地域にまたがる場合は斜線制限と日影規制はどうなるか

それぞれの地域の制限が該当する建物部分に適用される

「過半数を採用」ではないため注意しましょう。

同一の敷地内に複数の建築物がある場合は日影規制はどうなるか

一つの建築物とみなされる

日影規制の特例を説明せよ

上で特定の条件を満たした場合は日影規制は対象外となることを確認したが,

  • 10mの建築物
  • 冬至の日「でさえも」

規制対象区域に日影を生じさせる場合は,該当建築物は対象内とみなすことになっている。

冬至の日は一年の中で最も日照時間が短いから,この短い期間でも日陰を生じさせてしまうのであれば流石に迷惑をかけすぎです。ゆえに対象外でも対象とみなす特例を定めていると理解しましょう。

単体規定

集団規定と単体規定を説明せよ
  • 集団規定:(準)都市計画区域内に適用される規定
  • 単体規定:全国に適用される規定
避雷設備・木材プラスチック適合条件・エレベーターに関する規定を述べよ
  • 20mを超えたら避雷設備が必要
  • 31mを超えたらエレベーターが必要
  • 木造で3000㎡を超えたら主要構造部の木材とプラスチックに適合条件が課される

「ニヒル(20m避雷設備)なme(31m)はエレベーターで君(木造3000㎡)を抜かす」と覚えましょう。

居室の天井の高さに制限はあるか

(平均)2.1m以上であること

建蔽率・容積率以外に建物内部の付加面積に制限はあるか

(準)耐火建築物「以外」である場合は,延べ床面積が1000㎡以下になるように防火壁等で区切る必要がある

開口部の制限を述べよ
  • 住居:採光のために床面積の1/7,換気のために床面積の1/20の開口部が必要
  • 学校や病院:採光のために床面積の1/5〜1/10

学校の窓 > 住居の窓 > 住居の換気窓というイメージで覚えてしまいましょう。

建築確認

特殊建築物とは何か

不特定多数の人が集まる建築物のことを指す。「ここで火災が起きたら大惨事だ」思われる建築物は大体特殊建築物であり,例えば学校・病院・ホテル・映画館などが該当する。

特殊建築物で建築確認が必要になる条件を述べよ

床面積が200㎡を超える場合

大規模建築物とは何か

木造であれば

  • 階数が3以上
  • 延べ面積500㎡超え
  • 高さ13m超え
  • 軒の高さ9m超え

を満たす建築物で,木造以外であれば

  • 階数が2以上
  • 延べ面積200㎡超え

を満たす建築物のことを指す。

暗記は辛いので語呂合わせを利用すると,

  • 木造は見事(3階/500㎡)倒産苦(13m/9m)
  • ニコニコ(2階/200㎡)笑うビルディング

とサクッと覚えてしまう。

高さは屋根を含み軒の高さは屋根を含まない,とざっくり理解しましょう。軒は「のき」と読み,屋根のはみ出した部分のイメージです。

建築確認が必要になるケースをまとめよ
大分類小分類新築増築・改築・移転大規模修繕(模様替え)
(準)都市計画区域-△ (※2)× (※3)
(準)防火地域-× (※3)
全国特殊建築物 (※1)
大規模建築物
△ (※2)
建築確認が必要になるケース

※1:特殊建築物が200㎡超えの場合に必要となる(木造以外の閾値と同様と覚える)
※2:床面積が10㎡超えの場合に必要となる
※3:必ず不要になる訳ではなく特殊建築物と大規模建築物の場合は必要となる

建築確認は誰が行うか

建築主事か指定確認検査機関

建築主事はエリート地方公務員のイメージで,指定確認検査機関は民間の機関。建築主事の市町村への配置は任意。

建築確認を行う際は誰の同意が必要か

建築主事は管轄の消防長または消防署長の同意を得る必要がある

工事を行う際は誰の同意が必要か

同意は不要だが,床面積が10㎡を超える場合は建築主から都道府県知事に届け出する必要がある

「建築主事から」ではない点に注意してください。あくまでも工事施行者から届け出します。

中間検査は必ず必要か
  • 階数が3以上の共同住宅における一定の工程
  • 特定行政庁が指定する工程

の場合には必要

工事完了後に建築主は何かアクションは必要か

4日以内に建築主事に届くように工事完了検査を申請する必要がある

検査済証が交付される前に建築物は使用可能か

原則OKだが,

  • 200㎡超えの特殊建築物
  • 大規模建築物

の場合はNG。これは「全国で建築確認が必要になるケース」で用いた場合分けと同一だ。

NGのケースにおいても「完了検査の申請が受理された日から7日経過した場合」「特定行政庁がOKと判断した場合」「建築主事等が国土交通大臣の定める基準に照合してOKと判断した場合」には使い始めてよいです。「申請受理から7日」だけ押さえておいて,あとは常識的に判断すれば大丈夫そうです。

用途変更の場合の建築確認の要/不要について理解の仕方を説明せよ

常識的に判断すればよい。特殊建築物になるのであれば必要だし,特殊建築物から外れるのであれば不要。他の特殊建築物になる場合は,似通った用途であれば不要だし,全く別の用途であれば必要になる。

建築協定

建築協定を説明せよ

建築基準法という国が制定した法律とは別に,住民が定めることができるルールのこと

建築協定の策定には誰の何が必要か

特定行政庁の認可(≠許可)が必要

建築協定は条例指定区域内に限るため,デフォルトで許可されている背景から許可ではなく認可となります。

建築協定は所有者と借地権者の両方の合意が必要か

借地権が設定されている場合には借地権者の合意だけでよい

他に借地権が設定されていない所有権のみの土地を建築協定に含める場合,関係する土地の所有者全員の合意が必要になります。ただし,その一部に借地権が設定されている土地がある場合は,その土地のみ借地権者の合意があれば十分とされます。

国土利用計画法

届出の義務は売主と買主の両方に発生するか

しない。買主のみに発生する。

誰に届け出せばよいか

土地が存在する場所の市町村長経由で知事に届け出る

契約後2週間以内に届け出ないと何が起きるか

懲役または罰金。契約自体は有効になる。知事は利用目的の変更を勧告できるが,強制力はない。

届出の内容には他にも「誰が」「いくらで」という内容も含まれていますが,勧告できるのは利用目的のみです。

届出が不要になる土地の面積基準を述べよ
大分類小分類不要な面積基準
都市計画区域市街化区域2000㎡以下
市街化調整区域
非線引区域
5000㎡以下
それ以外10000㎡以下
届出が不要になる土地の面積基準

「日本は濁っと(2000㎡.5000㎡.10000㎡)る。届出して目的を透明化しなさい。」と覚えましょう。

届出が必要になる取引の種類のキーワードを述べよ

「所有権・地上権・賃借権」を,「対価」を得て「設定・移転する合意」に該当する取引。

  • 交換・売買・予約・代物返済:当てはまるため○(届出が必要)
  • 抵当権の設定:所有権は移転しないため×(届出は不要)
  • 贈与:対価がないため×(届出は不要)
  • 権利の行使・条件の成就:合意が取れていないため×(届出は不要)

農地法3条の許可を受けた場合は不要で5条の許可を受けた場合は必要という例外もありますが,ここまで理解しようとすると修羅の道すぎるため一旦スコープアウトしてOKでしょう。

注視区域とは何か

地価高騰を防ぐために知事が指定する区域のこと。通常の区域で届出が不要になる基準(2000㎡/5000㎡/10000㎡)を同じく採用する。

規制区域とは何か

注視区域の厳格バージョン。指定実績がないため深堀りする必要はないだろう。

注視区域の届出と通常の届出の違いは何か
  • 事前に
  • 両当事者からの

届出が必要になる点

盛土規制法

盛土規制法の対象となる土地は何か
  • 農地等
  • 公共施設用地(道路・公園・河川等)

以外の土地

農地や公共施設用地は公的に管理するから規制する必要がないイメージで理解しておきましょう。

宅地造成等工事規制区域は誰がどのように定めるか

知事が市町村長の意見を聴いて定める

国土交通大臣が定めるといったような引っ掛けが狙われやすいため注意。

規模要件を条例で厳しくすることは可能か

特定盛土の場合は可能

いずれの場合も知事は許可時に必要な条件を付すことは可能です。

許可後の定期報告の頻度はどの程度か

3ヶ月ごと

条例で3ヶ月未満の期間を設定できます。

許可後の中間検査の申請はどの程度急いで出す必要があるか

4日以内

建築確認の工事完了検査の申請と同じです。

許可後の完了検査の申請はどの程度急いで出す必要があるか

4日以内

建築確認の工事完了検査の申請と同じです。

農地法

3条・4条・5条の違いを説明せよ
  • 農地法3条:権利移動に関する規定。抵当権は含まない点に注意する。
  • 農地法4条:転用に関する規定。農地を農地以外に用いること。
  • 農地法5条:転用目的権利移動に関する規定。権利移動+転用のこと。
農地法において「誰の許可が必要か」「無許可の場合どうなるか」をまとめよ
誰の許可無許可の場合
権利移動農業委員会契約の無効化
転用知事等工事停止命令+原状回復命令
転用目的権利移動知事等契約の無効化+工事停止命令+原状回復命令
農地法における「誰の許可が必要か」「無許可の場合どうなるか」
農地法において許可が不要となる例外をまとめよ
不要となるケース
権利移動・遺産分割・相続では許可は不要(ただし遅延なき届出は必要)
転用・市街化区域内では許可は不要(ただし事前の届出は必要)
・200㎡未満の農地を農業用施設に転用する場合は許可不要
転用目的権利移動・市街化区域内では許可は不要(ただし事前の届出は必要)
農地法において許可が不要となる例外

市街化区域では市街化を進めるために転用が絡む手続きを簡略化した,と理解しましょう。記載はありませんが,国/都道府県が取得/転用する場合や土地収用法により強制的に土地を収用する場合はいずれの場合でも許可は不要となります。

土地区画整理法

土地管理組合とは何か

施工地区内の宅地の所有者と借地権者全てが組合員となる組織で,

  • 7人以上で共同し
  • 定款と事業計画を定め
  • 知事の許可を受ける

ことにより設立される。

換地処分と換地処分公告の違いを説明せよ
  • 換地処分:区画整理の施行者が,従前の宅地を換地に変更することを通知すること
  • 換地処分公告:知事が,換地処分が行われたことを公告すること

その他の法令

「大臣や長官の許可」となる法令を列挙せよ
  • 自然公園法(国立公園):環境大臣
  • 文化財保護法:文化庁長官
「知事(等)の許可」となる法令を列挙せよ
  • 自然公園法(国定公園)
  • 森林法
  • 都市緑地法
  • 地すべり等防止法
「市町村長の許可」となる法令を列挙せよ
  • 集落地域整備法
  • 生産緑地法
「大臣や長官の許可」「知事の許可」「市町村長の許可」とならない法令を列挙せよ
  • 海岸法:海岸管理者
  • 港湾法:港湾管理者
  • 河川法:河川管理者
  • 道路法:道路管理者

海・川・道路と覚えましょう。

問題演習で引っかかったポイント

「文化財保護法は文部科学大臣の許可を受ける必要がある」は正しいか

正しくない。文化庁長官が正しい。「市町村ではなく国だから正しい」というレイヤーで判断してはいけない。しっかりと国の場合も「どの官庁が許可しようとしているか」まで問題文を読む必要がある。

換地処分は換地処分公告によってなされるか

なされない。換地処分は区画整理施行者からの通知でなされる。換地処分の完了をもって知事が公告する。

住居系用途地域には社会福祉施設を必ず定める必要はあるか

ない。義務教育施設は必ず定める。

市街地開発事業はどこで行うことができるか
  • 都市計画区域かつ市街化区域
  • 都市計画区域かつ非線引区域
第一種・第二種中高層住居専用地域に高層住居誘導地区は定められるか

定められない。中高層という言葉に騙されないようにする。少なくとも第一種住居地域よりも騒がしい地域で定められる。

市街化促進のおそれがある場合でも,都道府県知事の許可があれば市街化調整区域で開発できるか

開発できない。そもそも市街化促進のおそれがある場合は,市街化調整区域における開発に対して都道府県知事は許可を下さない。

接道義務は都市計画区域外にも適用できるか

適用できる。接道義務は

  • 都市計画区域
  • 準都市計画区域

内で適用され,両区域外では適用されない。

すなわち接道義務は集団規定です。(準)都市計画区域内に適用される規定のことを集団規定とよび,全国に適用される規定を単体規定とよぶのでした。

語呂まとめ

開発許可が不要となるケース

セミ(1000㎡未満)の耳(3000㎡未満)は意味(1ha未満)ない

避雷設備・木材プラスチック適合条件・エレベーターに関する規定

ニヒル(20m避雷設備)なme(31m)はエレベーターで君(木造3000㎡)を抜かす

届出が不要になる土地の面積基準

日本は濁っと(2000㎡.5000㎡.10000㎡)る

木造の大規模建築物

木造は見事(3階/500㎡)倒産苦(13m/9m)

木造以外の大規模建築物

ニコニコ(2階/200㎡)笑うビルディング

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