はじめに
本稿では,法律および不動産については門外漢である管理人が,宅地建物取引士資格試験に最速最短で合格するための知識を整理してまとめていきます。
管理人は法学の素人であるため,ロジックの正確性・正当性は無視します。また,暗記を最小限に抑えるため「以上・以下」「未満・より」といった端点の場合分けは無視します。
盛土規制法
盛土規制法では土地を以下の区分に分けます。
大分類 | 小分類 | 規制 | 説明 |
---|---|---|---|
規制区域 | 宅地造成等工事規制区域 | 許可/届出/災害防止措置 | 市街地や集落周辺のため 規制しておきたい区域 |
特定盛土等規制区域 | 許可/届出/災害防止措置 | 市街地や集落からは離れているが 念の為規制しておきたい区域 | |
防災区域 | 災害防止措置 | 災害で被害が出得る区域 |
この区分けは知事が市町村長の意見を聴いて定めます。
許可の規模要件
盛土規制法では,ある規模要件を満たした工事を行う場合に許可制を設けています。具体的には,下表を満たす場合に工事主は知事に許可をもらう必要があります。
宅地 | 特定盛土 | ||||
---|---|---|---|---|---|
盛土切土 | 高さ | 崖 | 盛土 | 1m | 2m |
切土 | 2m | 5m | |||
盛土+切土 | 2m | 5m | |||
崖を生じない | 盛土 | 2m | 5m | ||
面積 | 500㎡ | 3000㎡ | |||
一時的な堆積 | 2m/300㎡ | 5m/1500㎡ | |||
500㎡ | 3000㎡ |
表中の「宅地」は宅地造成等工事規制区域を表し,「特定盛土」は特定盛土等規制区域を表します。いずれかの条件を満たした場合に許可が必要になります。端点を含む/含まないは覚える必要はないですが,「超える」場合に条件を満たしますことになっています。ただし,2m/300㎡と5m/1500㎡は「かつ」を表す点に注意が必要です。
後の解説のため,ここで表中の色に対するクラスを定めておきましょう。
色とクラス |
---|
A |
B |
C |
D |
規模はA<Bであること,およびC<Dであることも押さえておきましょう。Bで引っ掛かればA基準にも引っかかり,Dで引っ掛かればC基準でも引っ掛かることになります。
表の解説に戻ります。宅地と特定盛土を比べると宅地の方を保護するべきですから,宅地の方が条件が厳しくなっています(A<B)。盛土と切土を比べると盛土の方が地盤が緩くなり危険なため,盛土の方が切土より条件が厳しくなっています(1m<2m)。通常の工事と一時的な堆積を比べると一時的な堆積の方が油断に繋がりやすいため,通常の工事と比べて高さに関する条件が追加になっています。例えば,宅地で300㎡の規模であっても高さが2mを超えてしまうと許可が必要です。
あとは数字の覚え方ですが,案外楽に片付きます。最初に表の上側の盛土切土について考えます。覚える数字は
- (1m, 2m)→(2m, 5m)→(500㎡,3000㎡)
のように「しりとり」になっていることに注目して覚えましょう。これに「盛土は切土よりも危険」理論を適用すると,崖を生じさせる盛土の場合に最も厳しい(1m, 2m)を当てはめ,それ以外は(2m, 5m)を当てはめればよいことが分かります。
あとは表の下側の一時的な堆積ですが,「一時的な堆積≒崖を生じない盛土」であるため,高さの条件は(2m, 5m)となります。一点注意するべきなのは,追加で付与する高さの要件については面積の条件を「ほぼ半分」に緩めてあげる点です。ただし,500㎡の半分は250㎡という中途半端な数値となってしまうため300㎡に切り上げています。
その他の規模要件
盛土規制法では「許可」が必要になる規模要件だけでなく,「届出/中間検査/定期報告/完了検査」が必要になる規模要件も定めています。
届出 | 許可 | 定期報告 | 中間報告 | 完了検査 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
宅地 | 盛土切土 | - | A超え | B超え | B超え | 全て |
一時的な堆積 | - | C超え | D超え | - | 全て | |
特定盛土 | 盛土切土 | A超え | B超え | 全て | 全て | 全て |
一時的な堆積 | C超え | D超え | 全て | - | 全て |
許可は別の表で押さえているため許可以外を覚えればよく,他の項目は「完了検査」「届出」「定期報告/中間報告」の順に押さえるとよいです。完了検査は種類にかかわらず全て必要です。届出は特定盛土の場合にのみ必要で,宅地で許可が必要になる要件(A,C)と同一となります。これは「宅地で対応していたらキリがないから。でも特定盛土の場合はしっかり届出してもらいたいから」と覚えてしまいましょう。定期報告と中間報告は,宅地の場合は原則(B,D)で,特定盛土の場合は原則全てとなります。一時的な堆積の場合は期間が短くなるため中間報告は不要と理解しましょう。
特定盛土の届出は工事着工日の30日前までに工事計画を提出する必要があります。
補足1
「許可/届出/中間検査/定期報告/完了検査」が必要になる規模要件以外にも,「一定の資格者による設計」が必要となる規模要件が存在します。
- 高さが5mを超える擁壁の設置
- 盛土切土の面積が1500㎡を超える土地での排水施設の設置
この数値はDの一部と同じです。
「そこまでガチガチに資格を要求する必要はない」という気持ちの表れとして理解しましょう。
補足2
防災区域では許可は不要です。あくまでも「防止措置を適用するかも」の示唆に過ぎないです。
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