【数検1級対策】円柱によって切り取られる球面積

本記事では,数学検定1級で頻出のトピックについてまとめていきます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

目次

円柱によって切り取られる球面積

$z>0$の半球面$x^{2}+y^{2}+z^{2}=a^{2}$から$2$個の円柱面

\begin{align}
\left(x-\frac{a}{2}\right)^{2} + y^{2} = \left(\frac{a}{2}\right)^{2},\quad
\left(x+\frac{a}{2}\right)^{2} + y^{2} = \left(\frac{a}{2}\right)^{2}
\end{align}

によって切り取られた部分の面積を求めよ。ただし,$a$は正の定数とする。

解答

対称性から$x\geq0,y\geq0$の面積を$4$倍すれば答えとなります。領域$D$における$z=f(x,y)$の曲面積は

\begin{align}
S &= \iint_{D} \sqrt{1 + \left\{ f_{x}(x,y) \right\}^{2} + \left\{ f_{y}(x,y) \right\}^{2}}dxdy
\end{align}

と表されるため,$D=\{(x,y)|(x-a/2)^{2}+y^{2}\leq(a/2)^{2},x\geq 0,y\geq 0\}$とおくと,

\begin{align}
S
&= 4\iint_{D}\sqrt{1+\left(\frac{-x}{a^{2}-x^{2}-y^{2}}\right)^{2}+\left(\frac{-y}{a^{2}-x^{2}-y^{2}}\right)^{2}}dxdy\\[0.7em]
&= 4\iint_{D}\frac{a}{\sqrt{a^{2}-x^{2}-y^{2}}}dxdy\label{極座標変換前}
\end{align}

と表されます。ここで,極座標変換すると,$x\geq0,y\geq0$より$0\leq\theta\leq\pi/2$となります。また,領域$D$の定義に$(x,y)$を代入することにより得られる

\begin{align}
\left(r\cos\theta-\frac{a}{2}\right)^{2} + r^{2}\sin^{2}\theta \leq \left(\frac{a}{2}\right)^{2}
\end{align}

を整理すると,$0\leq r$と合わせて

\begin{align}
0\leq r\leq a\cos\theta
\end{align}

となります。ヤコビアンに注意すると式($\ref{極座標変換前}$)は

\begin{align}
S
&= 4\int_{0}^{\pi/2}\int_{0}^{a\cos\theta}\frac{ar}{\sqrt{a^{2}-r^{2}}}drd\theta
= 4a\int_{0}^{\pi/2}\left[-\sqrt{a^{2}-r^{2}}\right]_{0}^{a\cos\theta}d\theta\\[0.7em]
&= 4a\int_{0}^{\pi/2}(a-a\sin\theta)d\theta
= 4a^{2}\left[1+\cos\theta\right]_{0}^{\pi/2}d\theta
= 4a^{2}\left(\frac{\pi}{2}-1\right)
= 2a^{2}(\pi-2)
\end{align}

と計算されます。

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