【数検1級対策】陰関数の極値

本記事では,数学検定1級で頻出のトピックについてまとめていきます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

陰関数の極値

陰関数の極値はyxの関数とみて考える。f(x,y)=0の両辺をxで偏微分すると,合成関数の偏微分でt=xを代入することにより,

(1)fx+fydydx=fx+fydydx=0

となるため,

(2)dydx=fxfy

が得られる。さらにfxyfyxはともに存在して連続であるためfxy=fyxとなることに注意して両辺をxで微分すると,

(3)d2ydy2=(fx/x+fx/ydy/dx)fyfx(fy/x+fy/ydy/dx)fy2(4)=(fxx+fxy(fx/fy))fyfx(fyx+fyy(fx/fy))fy2(5)=fxxfy2fxyfxfyfyxfyfx+fyyfx2fy3(6)=fxxfy22fxyfxfy+fyyfx2fy3

が得られる。陰関数はyxの関数とみるとdy/dx=0を満たす(x,y)が極値を取る候補となるが,このときfx=0となるため,

(7)d2ydy2=fxxfy

となる。つまり,fx=0およびf(x,y)=0を満たす(x,y)=(x0,y0)について

  • fxx/fy>0ならばy=y0は極大値
  • fxx/fy<0ならばy=y0は極小値

が分かる。

二階微分が正の場合は極小値,負の場合は極大値となることを用いています。d2y/dy2にマイナスが付いていることに十分注意してください。

覚え方

一階微分がfx/fyは計算で容易に求められる。二階微分は分子にfxxfyが残り,

(8)d2ydy2=fxxfyfy2=fxxfy

と理解する。

具体例

次の陰関数の極値を,yxの関数とみて求めよ。

(9)f(x,y)=x22xy+y24x+2y6=0

解答

xの偏導関数はfx=2x2y4となるため,f(x,y)=0かつfx=0を満たす(x,y)(x0,y0)とおくと,(x0,y0)=(3,5)となります。このとき,fxx=2およびfy=2x+2y+2に注意すると,

(10)fxxfy=22=1<0

となるため,f(x,y)x=3で極小値5を取ります。

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