【ネスぺ対策】忘れやすいプロトコル早見表

ネットワークスペシャリスト合格に必要となる知識を一問一答形式で確認していきます。

目次

忘れやすいプロトコル早見表

本記事では,以下の観点で忘れやすく覚えにくいプロトコルをまとめていきます。

  • 何の略称か?
  • 第何層で動作するプロトコルか?
  • 何をするプロトコルか?
  • TCPとUDPどちらを利用するか?
HDLC

High-level Data Link Controlの略称。データリンク層で動作して,フレーム単位で信頼性の高い通信を可能にするプロトコル。IBM社が開発したSDLCプロトコルが元になっている。

PPP

Point-to-Point Protocolの略称。データリンク層で動作して,一対一でコンピュータを接続するためのプロトコル。伝送モードは全二重方式で,HDLC手順を用いる。イーサネットやFDDIは物理層とデータリンク層上で動作するプロトコルであるのに対し,PPPは純粋なデータリンク層で動作する。

ICMP

Internet Control Message Protocolの略称。ICMPはIPプロトコルの「エラー通知」や「制御メッセージ」を転送するが,第何層で動作するかは考え方による。まず,ICMPはIPプロトコルの実装には必須であり,ネットワークの制御を行うことからIPと同じネットワーク層に属するという考え方がある。一方で,ICMPの設定を「ICMPヘッダ」と考えると,TCP/UDPと同様にIPヘッダの前にICMPヘッダを付けるため,ICMPはTCP/UDPと同じトランスポート層に属するという考え方がある。このように,ICMPはTCP/UDPと並列の概念と考えられることに注意されたい。

GRE

Generic Routing Encapsulationの略称。L3トンネリングプロトコルであり,IPsecと並列のネットワーク層で動作する。GREはマルチキャストも行うことができるという利点がある一方で,暗号化の機能を有していないため,IPsecと組み合わせて利用される。この形態はGRE over IPsecと呼ばれる。

OpenFlow

物理層からアプリケーション層までを新しい枠組みで規定するプロトコルで,TCP/IP階層モデルには属さないプロトコルと考えられる。データ転送と経路制御の機能を論理的に分離し,OpenFlowコントローラと呼ばれるソフトウェアがOpenFlowスイッチと呼ばれるネットワーク機器のデータ転送の制御と管理を行うことにより,SDNを実現するプロトコルである。OpenFlowは,柔軟にネットワーク構成を管理できる状態を目指している。

SMTP

Simple Mail Transfer Protocolの略称。アプリケーション層で動作して,インターネットで電子メールを転送するプロトコル。ポート番号25番とDNSのMXレコードを用い,トランスポート層にはTCPを用いる。

SPF

Sender Policy Frameworkの略称。アプリケーション層で動作して,SMTP接続してきたメールサーバのIPアドレスを参照して,正規のサーバから送られた電子メールかどうかを検証する技術。メールに関わる技術であるため,トランスポート層にはTCPを用いる。

OP25B

Outbound Port 25 Blockingの略称。アプリケーション層で動作して,メールに関わる技術であるため,トランスポート層にはTCPを用いる。内部ネットワークから外部ネットワークへのTCP 25番ポートの通信を遮断することにより,スパムメールなどの送信を防ぐ技術。

DKIM

Domain Keys Identified Mailの略称。アプリケーション層で動作して,電子メールに付加されたディジタル署名を検証することでなりすましや改ざんを検知する技術。メールに関わる技術であるため,トランスポート層にはTCPを用いる。

SNMP

Simple Network Management Protocolの略称。アプリケーション層で動作して,TCP/IPのネットワーク上で機器の情報を収集し,監視や制御を行うためのプロトコル。トランスポート層にはUDPを用いる。

IGMP

Internet Group Management Protocolの略称。IPネットワーク上に直接実装されているため,ネットワーク層で動作する。受信側は送信側に向けてマルチキャストのグループに所属することを通知し,ルータがその情報を広める技術。通常はユニキャストアドレスしか学習できない一方で,IGMPスヌーピングに対応しているケースではマルチキャスト通信を効率よく伝達することができる。トランスポート層にはUDPを用いる。

RTP

Real-time Transport Protocolの略称。アプリケーション層で動作して,音声や動画などをリアルタイムに配送するためのプロトコル。UDP上で動作するものがほとんどであるが,YoutubeなどではGoogle独自のプロトコルがTCPベースで運用されている。

RTCP

RTP Control Protocolの略称。アプリケーション層で動作して,RTP通信の補助を行う。具体的には,パケット喪失率など通信回路の品質を管理することで,RTPのデータ転送レートを制御する。

SIP/SDP

Session Initiation(Description)Protocolの略称。アプリケーション層で動作して,P2Pのリアルタイムなセッションを確立する。HTTPをベースとしたプロトコルで,SIPにおいてマルチメディアセッションの記述にはSDPを用い,マルチメディアデータの送受信はRTPを用いるという関係。

SIP/SDP/RTPの関係性
NTP

Network Time Protocolの略称。アプリケーション層で動作して,ノードの時刻を同期するためのプロトコル。UDPの123番ポートを利用する。

LDAP

Lightweight Directory Access Protocolの略称。エルダップと発音する。アプリケーション層で動作して,各機器や各アプリケーションに対するユーザ名やパスワードといった情報を一元管理する仕組みを規定する。具体的には,処理が重いX.500シリーズのDAP(Directory Access Protocol)を軽量化し,TCP/IP上で使えるようにしたプロトコルである。

SCTP

Stream Control Transmission Protocolの略称。トランスポートに属するプロトコルであり,TCPと同様に信頼性を担保する。具体的には,以下のような特徴がある。

  • アプリケーションが定めるメッセージ(チャンク)サイズ単位の送受信
  • メッセージの生存時間を定義可能
  • 一つのホストに複数のネットワークインタフェースを設定できるマルチホーミングに対応
  • 無線LAN→イーサネットなどのように使用するNICが変わっても通信を継続可能
  • TCPで複数のコネクションを確立する通信を一つのコネクションで実現
DCCP

Datagram Congestion Control Protocolの略称。トランスポートに属するプロトコルであり,UDPの輻輳制御をサポートする。具体的には,以下のような特徴がある。

  • コネクションの確立と切断がある
  • 確認応答を利用してパケットの再送を行うこともできる
UDP-Light

Lightweight User Datagram Protocolの略称。トランスポートに属するプロトコルであり,UDPのチェックサム機能の対象範囲を操ることで通信効率を高める技術。具体的には,IPヘッダなど必要最低限の部分にチェックサムを適用する。名前からUDPを軽量にしたプロトコルと勘違いされがちだが,実際はUDPを拡張したプロトコルである点に注意する。

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