【徹底解説】実対称行列の性質<正方行列からの生成>

本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

目次

実対称行列の性質<正方行列からの生成>

$n$次元実対称行列$A$は以下の性質をもつ。

  • 任意の実正方行列により実対称行列を生成できる

併せて実対称行列の性質もおさえましょう。

証明

任意の実正方行列$C$を以下のように組み合わせることで,二通りの方法で実対称行列$A,B$を構成することができます。

\begin{align}
A &= C^{T}C \label{1}\\[0.7em]
B &= \frac{1}{2}(C+C^{T}) \label{2}
\end{align}

以下では,$A,B$が実対称行列であることを確認します。$C$は実正方行列であることから,$A,B$の全ての要素が実数です。ゆえに,$A$と$B$の対称性だけを吟味すればよいです。式($\ref{1}$)に関して,

\begin{alignat}{2}
A^{T} &= C^{T}C &&= A
\end{alignat}

となるため$A$は対称行列となります。式($\ref{2}$)に関して,

\begin{alignat}{2}
B^{T} &= \frac{C^{T}+C}{2} &&= B
\end{alignat}

となるため$B$は対称行列となります。以上より,式($\ref{1}$)もしくは式($\ref{2}$)に基づくことで実正方行列から実対称行列を構成できることを示すことができました。

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