本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
固有空間
$V$を$\mK$上のベクトル空間,$F$を$V$の線型変換とし,$\alpha\in \mK$を$F$の一つの固有値とする。ただし,$\mK$は複素数空間$\mC$または実数空間$\mR$を表す。このとき,$\alpha$に対する$F$の固有ベクトルの全体に$0$をつけ加えたものは,$V$の部分空間となる。固有多項式の導出と同様にすると,それは線型変換$F-\alpha I$の核
\begin{align}
\Ker (F-\alpha I)
\end{align}
\Ker (F-\alpha I)
\end{align}
となる。ただし,$I$は$V$上の恒等変換とする。この部分空間を固有空間といい,$W(\alpha)$と表す。
固有値と固有ベクトルの定義より固有ベクトルは零ベクトルにはなりませんので,固有空間は$\{0\}$でない$V$の部分空間となります。
コメント