本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
非自明な解と行列式
$n$次正方行列$A$と未知数の$n$次元ベクトル$\vx$に対し,連立一次方程式
\begin{align}
A\vx &= \vzero \label{主題}
\end{align}
A\vx &= \vzero \label{主題}
\end{align}
が自明な解以外の解,すなわち非自明な解をもつための必要十分条件は$\det(A)=0$である。
連立一次方程式と行列式には密接な関係があります。
証明
正則と同等な条件より,連立一次方程式が自明でない解をもつことは$A$が正則でないことと同等になります。さらに,正方行列が正則であるための必要十分条件より,$A$が正則でないならば$\det(A)=0$が成り立ちます。したがって,式($\ref{主題}$)が自明な解以外の解をもつための必要十分条件は$\det(A)=0$になります。
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